肝腎風陽証とは肝腎の陽気偏亢の証である。肝腎は母子の臓で,いわゆる“乙癸同源”であり,此のために肝陽亢盛は下の腎陰を吸い,腎陽を引動するので,古人は喩えて“子が母の気を盗む”という。また腎陰不足だと,肝臓を涵養できず,肝陽偏亢となるので,古人は喩えて“母の病いが子に及ぶ”といい,ともに肝腎同病である。
且つ多くは本虚標実の証で,多くは操労過度,酒色失節,病中の薬誤,久病傷陰,高年衰竭などに因る。
軽ければ陽亢風動,風陽上浮から,眩暈,頭痛,耳鳴耳聾,頭揺,振顫,麻痺等の病;重ければ厥陽上冒により,陰枯下竭から下脱まで;緩ければ経絡に竄入して痛痺の疾となる。其の治則は肝腎の陽亢を鎮潜し,肝腎の陰液を滋養することで,総ては滋陰潜陽を大法とすべし。
証候別称:肝陽上亢,厥陽上逆,肝風上翔,陰虚陽亢,陰虚風動,液涸風動,内虚暗風,血虚肝燥,陰虚陽越,虚陽浮越,戴陽,上盛下虚,下厥上竭,虚火上冒,虚陽上冒,肝風入絡,風陽入絡。
病例名称:
【中医】:頭暈,眩暈,昏仆,頭痛,経前頭痛,偏頭痛,暴盲,失眠,中風,類中風,小兒痙厥,産后子癇,間瘧,伏熱内潰,痛痺,足跟痛,頭揺,手顫,肝陽震顫,麻痺。
【西医】:高血圧,高血圧危重症,冠心病,高血圧心臓病,神経性頭痛,血管性偏頭痛,急性視神経乳頭炎,メニエール病,頚椎綜合征,神経衰弱,神経官能症,植物神経失調,更年期綜合征,産后子癇,重型乙脳,脳炎后遺症,流脳后遺症,震顫麻痺,パーキンソン氏綜合征,坐骨神経痛,三叉神経痛,肝豆状核変性,肝硬化,原発性血小板減少性紫癜。
基本証象:
【陰虚失養】症象:1盗汗,2腰酸腿麻,脊膂覚痛,3肢体軟弱,4震顫無力。
脈象:1沈細尺弱,2脈弦左尺較弱。
【陰液消涸】症象:1口干,2肌肉消痩,3胸中煩熱,4大便秘結。
舌象: 1舌紅少苔,舌紅絳,舌質絶干,舌干痩無苔,2苔薄,苔薄黄,3舌質微紅,4舌紅中剥而干。
脈象:1脈細数,2脈細滑,3脈弦細帯数,4脈象細弦而勁。
【陽気浮越】症象:1面赤熱,口酸,2自汗,3汗出偏沮,4午后頭面及周身感発熱,5頚項強痛,6胸悶心悸,7后頂枕部灼熱及脹墜感尤以晩上為甚,局部冷敷稍舒,8閉目畏光,脈沈細左関独弦,舌正無苔。
舌象:舌紅暗,苔黄。
脈象:脈浮弦浮大数,脈弦略数六脈沈細,左関帯弦。
【清空不寧】症象:1頭昏脹痛頭重,頭頂部有跳動感,巓頂疼痛劇烈,突然頭痛如裂,二鬓作痛,2眩暈,張目便眩暈欲倒。
【清竅不利】症象:1視物昏花,角膜辺縁有緑褐色環,2耳鳴耳聾,3潤驚則益重,4言語審渋。
【神志不寧】症象:1時明時昧,2心悸,3心煩悶乱,鬱怒,4性情急躁,5易受驚恐,6失眠,7少寐梦多。
【経脈不和】症象:1頭皮発麻,手小指発麻,2肢体顫動,頭手及全身顫抖,不能自主,毎発戦慄,床皆震動,3髌痙攣及踝痙攣,4両手動不已,5行走強直欲傾倒,肢体僵直。(図20)

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