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一、肝腎虚風証‥‥虚風証本病

 肝腎虚風証が虚風の本病である。病いは腎虚のため養肝することができず,肝風が内起するもので,腎虚による肝風である。古人は水が木を涵養しないと,木が枯れて風を生ずると喩える。腎陰不足では肝木を柔養できず,陰虚は風動となる。

然しまた腎は水火の臓であるから,腎水が不足すると,陰は陽を引きつけず,腎陽は陰に入れずに,次第に耗散し,腎陽虚の陽虚風動となる,古人は之を虚風暗動と称する。

此の外に肝は蔵血の臓ゆえ,肝血虚して養えないと,やはり肝燥風動となる,血虚生風の候である。

是の故に肝腎虚風証には,陰虚風動が多いが,血虚風動者もまた少くない。疾病后期には,陽虚風動の者も無視できない。

肝腎虚風の病いは,清空・清竅・経絡の間に多く,軽ければ頭痛・眩暈に,重ければ麻痺・震顫・風痱・風瘫・風癇となる。急なれば中風・癇・厥であり,緩なれば痿・痺・脱毛などとなる。

肝腎虚風は総て肝腎が先ず虚し,然る后に肝風内動となる,故に治則は,総て肝腎の虚を補養することが主で,陰虚なら滋陰柔肝にて熄風し;血虚なら養血潤肝にて熄風する;腎陽虚なら,腎陽を温養して熄風する。これを陽生ずれば則ち陰長ずると喩える。張景嶽は謂う:“善く補陰するには,陽中求陰をしなければならない。”是れは助陽することが長陰となり,陰平陽秘により,内風は起らない,故に温陽もまた熄風となり得る。

証候別称:
肝風上翔,肝風上擾,肝風内動,血虚生風,風火襲絡,上盛下虚,陰中陽虚,肝腎虧損,陰陽両虚,精血虧損。

病例名称:
【中医】:頭風,頭痛,眩暈,陰虚眩暈,失眠,類中,中風,厥症,風癇風痱,偏瘫,痿証,虚痺,血痺,点頭風, 顫抖証,手顫,斑禿,全禿証,白癜風。

【西医】:神経性偏頭痛,耳源性眩暈,右側慢性中耳炎胆脂瘤,高血圧,脳動脈硬化,神経衰弱,多動症,舌咽神経痛,坐骨神経痛,血栓閉塞性脈管炎,類風湿性関節炎,癔病性昏厥,神経功能性運動障碍,脳血栓后遺症,震顫性麻痺,帕金森綜合征,脳萎縮,腔隙性脳梗死,一氧化碳中毒性脳病,脊髄灰質炎恢復期,変応性悪敗血症,脂溢性脱発。

基本証象:
【陰虚失養】症象:1身形解,2手足心熱,3潮熱盗汗,4腰酸脚軟,5肢倦,6小溲頻数余瀝不尽。
      脈象:1脈虚緩,2脈細弦,3脈細略数,4脈細弱無力尺尤甚。

【血虚失養】症象:1面色白,精神軟弱,3頭暈脳脹,4心悸気短,5失眠,6記憶減退,7月経量少色淡而錯后。
      舌象:1舌淡無苔,2苔薄白,3舌苔薄黄帯灰。
      脈象:1脈弦細緩,2脈象沈渋無力。

【陰液消涸】症象:1口干咽燥,2大便干結,便秘,3小便黄少。
      舌象:1舌絳,2舌質暗紅前半無苔,舌根有薄黄苔。
      脈象:脈虚弦数。

【陽気浮越】症象:1午后顴紅,2目眩畏光。
      脈象:舌紅苔薄白。

【清空不寧】症象:1頭暈痛,2眩暈,3頭眩動作則甚,稍動則眩暈欲絶,4突然暈厥仆地。

【清竅不利】症象:1耳鳴,2聴力減退,3眼光発花,4両目復視 

【神志不寧】症象:1心煩意乱,2少眠失眠,3睡眠易驚,4健忘,5心悸,驚悸。

【経脈不和】症象:1項強,2舌強語塞,口歯欠利,3舌体顫動,4肢体震顫,5歩履不遂,6面部肌肉抽搐,7左側上下肢不停地擺動,8頚部肌肉掣動,頻頻点頭,点頭風。(図22)


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