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(七)脾腎陽虚転証3(L45-Z19-H169)--陽虚不化候

 脾腎陽虚証・陽虚不化候とは、脾腎の陽気が不足し、脾陽が水津を運化する力がなく、腎陽が気化して水を巡らせることができないため、水液が体内に停滞し、体外へ溢れ出る状態を指す。雑病の分野では、これを総称して「 陽虚水氾 」証と呼ぶ。したがって、その症状は水気の氾濫という徴候が顕著であるものの、必ず脾腎の陽気の衰弱を示す脈証を併せて呈し、これを主とする。よって、治療法は脾腎の陽気を温補することを主とし、利水を促す生薬を適宜加えることで、標本両面を兼ね備えるべきである。 通称:阳虚水泛。  内含病例:[中医]:阴水,癃闭,疳肿,肿胀。      [西医]:慢性肾炎,水肿期,慢性肾小球肾炎(肾病期),尿毒症,急性肾衰竭,酸中毒,高血压性心脏病。  病因病机:脾肾阳虚虚滞。多くは長期間の病によるもので、脾腎の陽虚があり、湿気が集まって水となる。過度に利尿剤を投与すれば、陽気を著しく消耗することになる。これは廉臣が述べた通りである。「湿気が集まって腫れや膨満が生じ、強力な瀉下剤を頻繁に投与し続け、速やかな回復を求めれば、最初は多少の効果が見られるものの、長く続ければ必ず脾の陽気を傷つけ、さらに堅結を攻め消散させる薬を用いれば、腎の陽気をさらに損ない、気化機能を重く傷つける。病勢がここまで至れば、もはや手遅れである。」 脾腎の陽気が衰え、根本を傷つけている。 证象组合:阳虚+津滞+气滞+气郁  主症: 【阳气不振】症象:1面色苍白,面色暗晦,面黄带晦暗黄,消瘦憔悴,2神疲体倦,目合神疲,精神疲惫, ,3短气懒言,4微畏寒,5食少、泛酸,6便溏,7疲乏,乏力,8腰膝酸,9身痛,腰脊尾椎疼,10短气喘息,1手足 麻木,腰酸足软,夜尿短频,2形寒肢冷,振寒蜷卧,全身畏寒,10四肢冷痛,10手冷过时,足冷过膝,们之冰凉,厚被 ,和热水袋不能使其温,5唇紫,10头晕,头重。       舌象:舌质淡,苔薄,苔白腻,舌苔白,舌苔白润,舌薄舌白,质淡滑。       脉象:脉沉细无力,寸脉数,关沉无力,脉濡,脉浮大,重按即空,沉细,虚细缓迟微。  【津不化气】症象:1眼脸及面部浮肿、脚跗浮肿,压之凹陷,2下肢肿亦久不消,3周身浮肿,4腹胀浮肿, 5足跗浮肿,6太溪穴水流如注,7由足肿及腹,8全身浮肿,9面憔悴虚浮。       脉象:脉沉...

(四)脾陽虚滞候(L07-Z19-H270)--脾腎虚寒転証

 脾腎虚寒証、脾腎陽虚、陰寒凝滞、脾陽失運により、脾陽虚滞の候が現れる。その主症状は、脾陽の鬱滞による腹痛や下痢が顕著であるが、必ず 陽虚陰盛 の脈証を併せ持つため、その治療法もまた、脾腎を温補し、陽を助けて陰を駆逐することを基本とする。本証は 虚の中に実が混在する ものであるため、適度に疏導の効能を加えるべきである。  通称:中焦虚寒。 内含病例:[中医]:久泻,胃脘痛,腹痛,腹胀。      [西医]:慢性结肠炎,肠道滴虫。  病因病机:脾腎の虚寒による気血の停滞、脾腎の陽虚、陰濁の内滞、脾陽の機能不全、水穀の分別不能、気機の不調により、陽虚陰滞の症状が現れる。  证象组合:阳虚+气滞+水泄  主症:【阳气不振】症象:1面色青黄,面色清癯,面色晦暗,2恶寒身倦乏力,3口纳差,4四肢清冷,5有如 冰球在胃内凝滞,捧腹弯腰,进热食则舒,逢寒饮冷则发,入夜加重,6下腹冷痛,7肠鸣便泻,大便溏薄,8小便清长, 9带多清稀,10腰脊酸楚,腰膝酸软乏力。         舌象:1舌淡苔薄,2白滑,3舌质胖嫩有印。         脉象:1脉沉弦细,2脉沉细,3脉沉迟而细弱。  【气机不利】症象:1腹胀肠鸣,2食后腹胀,3胃脘痛绵作痛不休。       脉象:脉弦大便溏薄,苔薄白。  副症:【水谷不分】症象:1大便溏薄,2腹泻便稀夹有黏液,3完谷不化。  宾症:【气机不宣】症象:1食欲不佳,2嗳气吞酸。  治则:脾腎の陽虚、陰濁の内滞、虚中に実が混在しているため、その治療原則としては、脾腎の陽気を温補することを主とし、気機を利すために疏導を少し加えるべきである。虚実を兼顧しつつ、補に重点を置き、すなわち虚を補い陽を扶助することで、陰邪を祛除する。 方症: 1.理中、真武化裁方《曾新城》(西党参、干姜、炙甘草、附片、白芍、茯苓各10,土炒白术12)。温补脾肾,治腹泻,下腹冷痛,肠鸣便泻。 2.附桂理中汤加味《宋国维》(熟附片、党参各15,肉桂心(焗服)3,干姜 9,炙甘草6,沉香4.5(后下),白术、佛手、白芍各12)。温补脾肾止痛,治脾肾虚寒胃痛。 3.温阳散寒,理气止痛方《朱世敏》(熟附片块、苁蓉、巴戟肉、台乌药、延胡、清炙甘草各9,砂仁(后人)、淡干姜各3,紫石英、白芍各15)。治内寒...

(四)虚陽浮越候(L05-Z18-H182)--肝脾陰寒変証(一)

 肝脾陰寒証は、陰邪が直接肝脾を侵し、陰盛陽衰となり、陰寒が内に盛んになって陽を外に追いやり、 虚陽外越 の候を呈する。仲景はこれを「有陰無陽の証」と呼び、また「 蔵厥 」「少陰病の嘔吐・下痢」などとも称した。顔面紅潮や煩躁を呈する場合には、「戴陽証」と呼ぶ。後世では、いずれも「陰盛陽衰」あるいは「格陽証」「 真寒仮熱 」と称される。 その症状は、一派の陰盛陽衰の脈証が見られるほか、陽浮の仮熱の徴候がより顕著である。臨床においては細心の注意を払って観察しなければならない。病状はすでに危篤の状態にあり、少しでも誤れば脱絶の危険があるため、謝映廬は「ただ油汗が一滴でも出れば、孤陽が即座に外へ逸脱することを恐れる」と述べている。」と述べている。仲景もまた、「身に微熱があり厥が見られる者は治し難い」、「厥が戻らない者は死に至る」、「脈が逆に実である者は死に至る」としている。 治療法としては、散脱を救うために、急いで温通して回陽を行うべきである。 通称:有阴无阳,阴盛阳,戴阳,格阳证。  内含病例:[中医]:少阴吐利,脏厥。  病因病机:肝脾陰寒脱。陰寒が直接侵すか、あるいは治療が遅れて手遅れになるか、あるいは誤って寒涼性の消導薬を投与したことにより、陰が盛んになり陽が衰え、虚陽が根を失い、体表に浮き上がり、わずかな不調でも即座に脱落する。 证候组合:阳虚+阳浮+阳脱 主症:【阳气不振】症象:1面青白,2肢冷,3自汗,4似寐非寐,5背冷恶寒。          舌象:1舌淡苔白,2舌润心白。          脉象:1脉弱浮,2脉沉细。  【阳气浮越】症象:1不烦而躁,无暂安时,不得卧,2身有微热,发热不退,3大热谵语,乱言无伦,4热 炽躁扰,张目不眠,发狂有力,5面少赤,面赤,目红面赤,6唇红而焦,7口舌干而涩,8咽干,9口渴。       舌象:舌黒。       脉象: 1脉数大而空,2下指洪大,按之索然,3浮数无力,4六脉浮大而数,按之无力。  副症:【阳气不行】症象:1下利,2呕逆,3吐利频作,4胸胁痛胀,5腹痛,腹中绞痛,6腹中膨胀,大便燥结, 不行,7身疼不能转侧,8面,9舌渐强硬,语言不清。          舌象:苔滑。          脉象:脉沉迟。  宾症:【阳气脱绝】症象:1肢冷,2厥逆,3胸...

(二)枢機鬱遏候(L06-Z15-H082)--胆胃寒熱転証

 胆胃寒熱証は、外寒が依然として盛んであり、表が鬱遏され、上焦の枢機が不利となる。これを枢機鬱遏候という。傷寒学ではこれを「 太陽少陽合病 」あるいは「 少陽兼表証 」と呼ぶ。その現れる症状は鬱蒸候と同様であるが、表陽の鬱滯を示す脈証が顕著である。したがって、その治療法は、依然として枢機を疏利し、木火を清降させるべきであるが、さらに表を疏通させ、表裏を和解させることを加えるべきである。 通称:少阳兼表,太少合病。 内含病例:[中医]:风疟。  病因病机:胆胃に寒熱が鬱滞している。風寒が依然として盛んで、表陽を鬱滞させ、腠理の開閉が調和を失っている。上焦の清陽が十分に発散できず、枢機が円滑でなく、宣降の機能が失われている。これは半表半裏であり、表に偏った証である。 证象组合:阳郁+不和+气郁  主症:【阳气不和】症象:1面色萎黄而带灰黯,2头汗出,小便不利,小便赤,3自汗,淅淅恶风,4平素体衰染 荣微汗,微恶寒,5手足逆冷,四肢痹,肢节烦疼,7口苦口微渴心烦,咽微红,8困倦喜卧,9脘腹隐痛。          舌象:1舌淡红苔薄白。          脉象:1微弦,2细弦。  【腠理不调】症象:1低热,2发热,微恶寒,3寒战发热,4寒热如疟,寒少热多,5汗出津津,6皮寒骨烧,全无汗。        脉象:1脉右浮弦,2脉浮紧。 副症:【清空不宣】症象:1头痛,2头昏。  【气机不宣】症象:1右胁痛,2胸胁痞满,3心下支结,4心下微烦,5纳差。       舌象:1舌边尖红苔白兼黄,2苔白中根黄腻。       脉象: 1脉弦数,2左浮滞沉数。 宾症:【气机不降】症象:恶心,微呕。  治则:枢機が鬱滞し、宣降の機能が失われると、表陽が宣通せず、腠理の調和が乱れる。その治療法としては、依然として表裏を和解させるべきであるが、表陽の鬱滞が特に重いため、表陽を宣通させるために、表を疏通させる方法を併用すべきである。ただし、まず辛散の薬を用いて表の鬱滞を解消し、その後で表裏を和解させるという方法もある。 方症: 1.柴胡桂枝汤《伤寒论》(桂枝(去皮)、黄芩、人参、芍药、生姜(切)各一两五钱,炙甘草一两,半夏二合半,大枣六枚,柴胡四两。水煎, 分三次服)。治少阳证兼有太阳表证,症见发热,微恶寒,肘节疼,微呕,心下...

(四)清陽郁逆候(L36-Z02-H064)--肺脾水飲転証(二)

 肺脾水飲証・清陽鬱逆候は、脾胃の水飲が肺に上犯し、上中部の清陽を鬱悶させて内外に宣達できなくなり、 水飲が肺胃の気を伴って上逆する ため、その症状は肺胃の気逆の徴候が顕著であるが、必ず表裏の陽気鬱遏の脈証が併せて見られる。したがって、その治療原則は、陽気を宣通させることを主とし、併せて水を巡らせ飲水を排除する方法を採るべきである。 通称:水气上逆。 内含病例:[中医]:水逆,太阳腑症,咳喘。  病因病机:肺脾水饮郁逆。素より水飲が体内に蓄積しており、外から風寒に侵されることで発症する。寒水が肺と脾に鬱滞し、清陽が正常に宣降できなくなるため、水飲が上に逆流し、肺と胃の気機が下降せず、上に衝き上がる。 证象组合:阳郁+表郁+气逆+气郁  主症:【阳气不宣】症象:1恶寒昏困,2遍体疼,3口于不欲饮,4四肢冷,5大便不实。          舌象:舌苔白腻。          脉象:左手弦细,右手迟滑。  【气机冲逆】症象:1呕恶,呕吐不止,饮食下咽,少顷尽吐,喜饮凉水,入咽亦吐,号叫不定,2咳嗽气喘, ,3心下结满而喘。       舌象:苔腻。       脉象:1脉洪大浮滑,2寸脉微浮。 副症:【腠理不宣】症象:1发热恶寒,无汗,2汗出恶风。 【气机不宣】症象:1胸满,2二便不行。       舌象:白滑。       脉象:右弦滑。 宾症:【清空不宣】症象:头痛。  治则:水飲が寒気を伴い、清陽を鬱積させて発散・下降させず、寒水が逆流する。治療法としては、肺と脾の陽気を温めて通じさせ、水飲を排出させるべきである。水気が除去されれば、陽気は発散し、陰濁は自然に下降する。 方症:1.五苓散:《伤寒论》(猪苓、白术、茯苓十八铢,泽泻一两六铢,桂枝五钱。为末,每服一方寸匕,冲服;或水煎服)。利尿・消水作用があり、脾を健やかにし湿を除く。体内に水湿が停滞し、外に表証を伴う場合、頭痛・発熱、小便の不通、渇きと飲欲、水を飲むとすぐに吐く、脈が浮いているといった症状、また水湿の停滞による浮腫、小便の不通、あるいは下痢、および暑湿による嘔吐や下痢などの症状に用いる。 2.五积散证:《太平惠民和剂局方》(白芷、川芎、甘草、茯苓、当归、肉桂、白芍药、半夏各90g,橘皮、枳壳、麻黄各180g,苍术720g,桔梗360g,干姜、厚朴120g。...

(一)気営蘊蒸候(L21-Z06-H021)--心営燥熱営分本証

 心営燥熱証は、温暑の邪が熱や燥へと変化し、気から営へと移行する初期段階にあり、病機はまだ浅く、気営蘊蒸候である。温熱学者は通常、これを「 気から営へ移行する証 」と呼ぶ。したがって、その症状は気営両蒸の脈証が主であり、特に営熱の内蒸による脈症が顕著である。したがって、その治療原則は、軽清透熱を主とし、同時に津液を顧み、営分に入った熱を気分へと転化・透出させ、速やかに解消させることである。葉天士は「邪気が心包に陥り、痙厥の変を来すことを慮る」と述べている。王九峰もまた、「もし表を散じて津液を劫かせば、痙厥に至る」と述べている。 通称:过卫入营,过气入营。 内含病例:[中医]:春温伏肺,伏暑,心经疟。  病因病機:心営に燥熱が蓄積し、蒸し上がる。温暑の気分が解消されず、次第に営分へと侵入するか、あるいは営分に伏温があり、次第に気分へと透出する。ただし、営分の熱が心経に蒸し上がるものの、まだ心の絡には達しておらず、営分の症状が軽微なものである。 证象组合:气蒸+营蒸+神扰+神蒙 主症:【津气蕴蒸】症象:1发热不已,2消渴,烦渴不安,3唇焦舌渴。          舌象:舌苔边心黄。          脉象:脉数。 【营热蕴蒸】症象:1夜热转,2暮夜神识不清。       舌象:舌红,舌赤。       脉象:1脉虚,2脉来细弱。 副症:【神志不宁】症象:1神烦,2少寐,3多言。 宾症:【神志昏蒙】症象:1神昏,2谵语。  治則:温邪が気分から徐々に営分へと蒸し上がってきた場合、軽清で透解し、心を清め営を涼し、あるいは津液を滋養することを併せて行い、陥った邪気を排出させるべきである。葉天士は「熱気が衛を過ぎて営に入ると、治療は手厥陰にあり」とし、また「営に入ってもなお、熱を透して気に転ずることができる」と述べている。何廉臣は、「依然として営分を通じ熱を泄らし、気分へと転じて解すこともできる」と述べている。たとえ邪気が営分から徐々に気分へと転じ出ても、気分へと速やかに透出させて解すよう助けるべきである。 方症: 叶氏地元参汤《通俗伤寒论》(犀角、鲜生地、元参、连翘、桑叶、丹皮、竹叶心、石菖蒲)。透营泄热,治乍入营分,神烦少寐,脉数舌红。

(一)木火鬱蒸候(L22-Z10-H280)--心肝鬱火本証

 心肝鬱火証は、鬱火が心肝に内在し、木火が内から動いて心君を擾乱し、二つの火が内から蒸し上がる状態であり、これを木火鬱蒸候という。したがって、その症状は 心神不寧 の徴候が顕著であるものの、必ず気鬱と熱蒸の脈証を併せ持ち、これらが主となる。よって、その治療法としては、心肝の鬱を宣疏し、木火の蒸を清解するとともに、養心安神を要とすべきである。 通称:郁火内扰。 内含病例:[中医];脏躁,百合病,搓后昏沉。      [西医]:癔病,精神分裂症。  病因病机:心肝に火が鬱積する。これは、生来の気質が鬱屈しており肝気が巡らなくなっている場合、あるいは突然の驚愕により心火が落ち着かなくなった場合、あるいは病後の残熱が消えずに心肝に内在している場合など、いずれも心肝に火が鬱積し、君相の二火が内から動いて、木火が発散できず、内に鬱積することで、心神が安らぎを失う原因となる。 证象组合:气郁+气蒸+血蒸+清空+神扰+阳郁 主症: 【气机不宣】症象:1情志抑郁,戚戚太息,不饥不食,2胸胁痞闷,心胸烦闷,3双乳作胀。       脉象:脉弦细。 【津气蕴蒸】症象:1潮热,2发热口苦,3溲赤便秘,小洩不畅。       舌象:苔黄腻。       脉象:脉弦数滑。 【血热蕴蒸】症象:1手足心热,2经净而反量多不净,3月经按期量少。       舌象:1舌质红苔白,舌尖红赤,2舌质边红苔薄腻。       脉象:1脉细数,2脉象弦细。 副症: 【清空不宁】 症象:头目昏重。 宾症: 【阳气不和】症象:1面色青白,2寒热似疟,3昏沉,4肢体抖颤,双腿抖顫难以自控。  【神志不宁】症象:1心烦易怒,烦躁不安,2梦寐失宁,夜寐多梦,3神思恍惚,有“身长”、“腿短”,诸 般幻觉,4寐时惊哭,时欲悲哭,如有神灵状,5心悸气短。  方症: 1.养心安神,宣布开窍方《谢海州方》(百合、郁金、滑石、豆豉各12,生地15,浮小麦30,大枣7枚,莲心3,菖蒲、黄芩、川楝子、炙甘草各9)。治情志抑郁,心烦易怒,善太息。 2.甘麦大枣汤合丹梔逍遥散加减《潘澄濂》(当归9,柴胡、炙甘草各4.5,丹皮10,黑山栀、朱茯苓、制香附、血余炭、生白芍各12,淮小麦30,红枣6枚)。抑肝舒郁,和血调经。

(十五)阳气虚损候(L45-Z19-H178)——脾肾阳虚变证(七)

 脾腎陽虚証・陽気虚損候は、脾腎の陽気が虚弱であり、長期間虚弱が続いて回復せず、次第に虚から損へと至り、陽気の損耗が陰血にまで及ぶため、雑病の分野では一般的に「 気血不足の証 」とも呼ばれる。したがって、その臨床症状は陽気の虚損による脈証を主とするが、血虚により経絡に栄養が行き渡らないという脈症を併せて見せることもある。その治療法としては、温補して脾腎の陽気を補うことを主とし、補血・養血の生薬を少し加え、共に調補するのがよい。 通称:气血亏损。 内含病例:[中医]:虚劳,五软,久痢,闭经,不孕,滑胎,痿,阳虚发热,慢惊风,失语症。     [西医]:糖尿病、慢性赤痢、 シェーグレン症候群、再生不良性貧血、地中海貧血、重症筋無力症、慢性腎炎、慢性尿毒症、ネフローゼ症候群、下垂体前葉機能低下による無月経、不妊症、反復流産、進行性筋ジストロフィー(偽性肥大型)、先天性水頭症、大腿骨頭無菌性壊死、麻疹脳炎後失語症。  病因病机:脾肾阳虚虚损。多系久病或大病不复,损伤脾肾阳气;或先天不足,后天失调。二天之本已伤,则阴 血生化无源,因而阴血亦渐损伤,致阳气阴血,内不能荣于神气,外不能养于经络。  证象组合:阳虚+气虚+血虚+神虚  主症:【阳气不振】症象:1面白,面无华色,面色苍白而灰黯,黄中带晦,2人形消瘦,面色憔悴虚浮,神气惨淡,3眼圈黧黑,双目无神,嗜睡,4形体怕冷,全身畏寒,阵发性畏寒,背部怕冷,四肢不温,四肢厥冷,5四肢沉重,6小便清长,夜尿次数短频,尿频清长,朝夕不断似崩,上浮如脂膏,7大便稀烂,大便溏薄,大便挟有黏液,肠鸣,8小腹气胀,9性机能减退,滑精,阳痿,10囟门下陷,甚则如坑,1头项软弱,倾斜不能抬举。 ,弦细。         舌象: 1舌质淡嫩边有齿痕,有齿痕而,苔白润,2舌质淡晦无苔。         脉象:1脉细弱,2脉缓弱,3脉沉细无力,尤以尺脉沉微无力,4脉沉迟,5脉左沉细而右 ,指纹:淡滞。     【气虚不充】症象:1神疲乏力,极不耐劳,2短气懒言,语声低沉,3口淡,食少,食后腹胀,4少腹肛坠, 5浮肿,6两耳失听,7溺后淋漓不尽。         舌象:舌淡红,苔腻。         脉象:1脉濡细,2脉濡大无力。  副症:【血虚失荣】症象:1面色萎黄,面色无华,表情淡漠,唇淡,形...

(一)卫气失宣候(L02-Z01-H001)‥肺卫风热表证本证

 肺衛風熱証・衛気失宣候は、外感風熱の初期において最も軽微な症状であり、風邪が主で熱邪はそれほど強くなく、発熱を伴わないか、あるいは微熱がある程度である。しかし、 悪風、倦怠感、鼻閉、頭痛 などの症状が見られ、舌苔は薄く、脈は浮いている。これは表証の中でも軽症にあたるため、その治療法も軽めの薬で発散させるにとどめ、決して強めの薬で発汗させてはならない。さもないと軽証が重証に転じる恐れがあるため、古来より発汗を禁じる戒めがあり、決して軽視してはならない。 通称:风热感冒,小风温。 内含病例:[中医]:感冒,风温。  病因病机:肺衛に風熱が鬱積し、風邪に感応する。気候が温暖で、風に熱が混じっている場合や、先に熱気に感応し、偶に涼風に触れて風熱が併発し、外では肌腠に鬱積し、上では空竅に鬱積して、この病が成立する。 证象组合:表郁+空窍+经气 主症:【腠理不宣】症象:1恶风,2肌肤痛,3皮肤痒。          舌象:舌红苔薄黄而润。          脉象:脉浮弦。 副症:【清空不宣】症象:1头昏,2头痛。 宾症:【清窍不宣】症象:1鼻塞喷嚏,2鼻流清涕,3咽阻。    【经气不宣】症象:1身酸困。  方症: 1.辛凉解表法:《时病论》方。辛凉宣表法(薄荷、牛蒡子、前胡各4.5,蝉衣3,淡豆豉12,瓜蒌壳、天花粉6)。适应:肺卫风热证初起,恶风鼻塞咽阻。 2.桑菊饮《温病条辨》(桑叶7.5,菊花3,连翘4.5,薄荷、甘草各2.4,杏仁、桔梗、苇根各6)。适应:上呼吸道感染,支气管炎属于风热犯肺者。

(三)气阴虚蒸候(L44-Z05-H160)- 肺肾阴虚转证(一)

 肺腎陰虚証・気陰虚蒸候は、肺と腎の気と陰がともに虚し、陰液が不足して体内を潤養できず、虚熱が内から生じ、陰分に鬱積蕴蒸する状態である。雑病の分野では、これを総称して「陰虚労熱」の証と呼ぶ。したがって、その臨床症状は陰虚内熱の脈証を主とし、気虚や陰枯の徴候を併せて見られることがある。よって、その治療法としては、益気滋陰、増液退熱を主とするべきである。 通称:阴虚劳热。  内含病例:[中医]:阴虚劳热,产后发热。      [西医];肺结核病,慢性肾盂炎,系统性红斑性狼疮。  病因病机:肺肾阴虚虚蒸。由肺肾气阴两虚,阴液不足以濡润于内,虚热内起,蕴蒸于阴分,消涸阴液,耗伤元气, 是为虚劳内热之证。 证象组合:气虚+阴虚+阴热+阴涸  主症:【阴热蕴蒸】症象:1骨蒸潮热,低热久热,下午尤甚,夜间汗出,2发热,夜间尤甚,神昏不语,不省人事,气逆痰鸣,3临晚寒热,4五心烦热,5口唇红赤,口苦,6时烦躁,心烦眠差,7咳血声哑,8皮肤发斑,灼热疼痛, 9下肢肿痛,步履艰难,10盗汗,梦遗滑精。         舌象:舌红苔腻。         脉象:1脉弦数,2脉微数,3 细数,4脉象虚数。     【阴液消涸】症象:1形槁毛枯,面黑,耳珠焦,鼻孔黑,2肌肉消瘦,3舌燥口渴,咽干口燥,4尿少灼热, 二便艰涩,大便闭结,5咳嗽上气,咳喘痰稠,6汗出口渴。         舌象:1舌体较小,舌红苔淡白,2舌红少苔、舌无苔,3舌干苔白。         脉象:脉濡数。  副症:【阴虚失养】症象:1形体消瘦,2耳鸣失眠,3腰膝酸软,足跟疼痛,腰痛。          脉象:脉弦细。 ,舌象:舌偏红,苔淡白。  宾症:【气虚不充】症象:1面色无华,面色青黄,2神疲纳少,3心悸头眩,4动则气喘。  方症: 1.三才封髓丹证:《卫生宝鉴》方(天门冬、熟地黄、人参各15,黄柏90,砂仁45,炙甘草22.5)糊丸,梧桐子大,每服50丸,酒苁蓉煎汤送服。  2.百合固金汤《医方集解》(熟地黄9,生地黄6,贝母、百合、当归、炒芍药、甘草各3,玄参、桔梗各2.4,麦门冬1.5) 3.拯阴理劳汤证:邓启源方(人参、麦门冬、全当归、杭白芍、炙龟版、薏苡仁、正橘红、五味子、女贞子、生地黄、京百合、牡丹皮、建莲子、炙甘草。...

第一節 気鬱証類

 気鬱証は、気病の実証における根本となる病であり、気鬱、気瘀、気痰、気火はいずれも気鬱から併発する証である。気鬱の証は、臓腑の気機が鬱滞する証であり、すなわち臓気の自病である。病は、情念が遂げられず、七情が鬱結すること、あるいは憂思によって気結が生じること、あるいは鬱怒や暴怒によって肝を傷つけること、あるいは悲傷によって肺を傷つけることなどに起因し、いずれも臓気の内鬱を招き、昇降の調和を失わせる。 上には 肺気鬱結 となり、中には 脾気鬱結 となり、下には 肝気鬱滞 となる。気に関する証は、とりわけ肝気の鬱滞が多い。肝は剛臓であり、疏泄を好む性質を持つため、七情に逆らえば、肝の条達を失い、疏泄できなくなり、臓腑の気が通暢を失う。ゆえに肝鬱の証では、脾・胃・肺・腎の気も多大に影響を受ける。したがって、気に関する証といえば、多くは肝鬱を指し、また肝鬱も概して気鬱と称される。 しかし、上・中焦の肺や脾の気鬱の中には、情志に起因しないものもある。例えば、寒さにさらされたり冷たいものを飲んだりして痰飲が肺に鬱滞したり、飢餓や過食によって飲食が脾に鬱滞したりする場合などである。これらについては、すべて肝のせいにすることはできないため、古代には「 六鬱 」という呼称があった。 気鬱証は、臓腑の本来の気が自ずから病む証である。古人は「流行するものを気という」と説いた。気がその流行の常を失えば、即ち病態となる。昇降出入は、気の流行の常序である。上焦の肺気が宣降の常を失えば、肺気鬱となる。中焦の脾は清を昇らせ、胃は濁を降す。脾胃の昇降に失調があれば、脾気鬱となる。肝は条達を好み、疏泄を主る。気の昇降出入や秩序ある流行は、すべて肝の疏通と調節に依るものであり、肝気が鬱滞すれば、疏泄の職務を全うできなくなる。上では肺の宣降、中では清濁の昇降、下では腎の気化と施泄が、いずれもその影響を受けるのである。したがって、 肝気の鬱は、諸気の鬱の根本原因であり 、肝気が鬱逆して中焦に横たわると、脾胃の気がその害を受け、肝胃・肝脾の合病となる。上は肺に逆流し、下は腎に鬱積し、その結果、肺気は肝を制することができず、腎気は肝に通じることができず、肝気はますます鬱し、それゆえに肝病は肺病・腎病と併発し、併病となる。 证候系统:详见表62

十、肝腎陰虚証

 肝腎陰虚証は、肝腎の精血が不足する証であり、下焦陰虚の根本疾患であり、陰虚が極めて重篤な証である。肝は血を蔵し、腎は精を蔵する。あるいは大病や久病の後、あるいは過労や過度の欲望の余波、あるいは酒色に溺れて精血を消耗・損傷したことにより、下焦陰虚を招く。 腎は水火の臓であり、真陰真陽の住処である。沈又彭は言う。「 『経』に『内奪』とあり、病は腎に発する。腎は精を蔵し、すなわち 真陰 であるが、 真陽 もまたそこに宿る。陽は昇浮を好むが、陰に依って涵吸される。もしその精を内から奪えば、陽気は依る所を失い、上方に昇浮する。」と述べている。故に 腎陽浮越 の証が多い。古人は「 精血は同源 」と言い、共に下焦の陰に属する。陰血が不足して肝を養うことができなければ、肝陽は動かし易くなる。陰精が不足して腎を満たさなければ、 龍雷の蔵 が乏しくなる。葉天士は言う。「肝腎の陰が尽きれば、風陽が内灼する」。沈又彭もまた言う。「精血が足れば、肝陽に依附する」。四明は言う。「元海に根なし、肝腎に因る」。肝腎の精血が欠損すれば、陽気は根に帰ることができない。何廉臣は言う。「 火が根に帰らなければ、即ち龍火となる 」。然り、水火は一宅にあり、陰陽は一穴を共にする。陰のみでは長じず、孤陽は生じない。 陰の損耗が極まれば、必然的に真陽に及ぶ。終には陰陽両虚、水火皆不足という変生を来す。緩やかな場合は労損へと陥り、急激な場合は脱を招く。故に余は鴻雲の「陰液は尽き、陽気は脱しようとしている」という言葉を聴く。謝映盧の言う「病は陰陽の交わりであり、交われば死す」という通り、ここに陰陽が共に尽きれば、必ず夭折に至る。 肝腎陰虚証は、下焦の陰血・陰精が欠乏した証である。病は先天の根本に及んでおり、元明・元陽が不足しているため、その治療法は、精を補い血を滋養し、肝腎の元陰を補うことにある。しかし、精血が不足し、元海に根がないため、 血肉有情の品 を併せて用い、沈濁で粘稠な滋養薬で精血を培い補わなければならない。陰虚となれば陽は浮くため、浮陽を鎮潜させることも併せて行うべきである。故に葉天士は「薬は沈静で質が重いものを選び、陰を填め陽を鎮める」と述べている。これはすなわち、何廉臣が言う「潜鎮摂納し、気を原に帰す」ということである。水が欠ければ火が旺じ、根のない 陰火 となる。これこそが、何廉臣が言う「...

第四節 陽虚証類

 陽虚証とは、臓腑の陽気が不足している証。表陽に虚があっても、必ず臓腑と関係がある。浅い場合は肺陽の不足によるものであり、やや深い場合は脾陽に関わり、極めて深い場合は腎の元陽に起因する。故に、表陽の虚は、実のところ内臓の裏陽の不足に由来する。 裏陽虚証にも、浅深の差がある。上焦の陽虚は浅く、中焦の陽虚は比較的深く、上中焦の陽虚は必ず気虚を併せ持つ。肺と脾はいずれも主気の臓であり、その陽虚は必ず気虚が回復しないことから生じ、ひいては陽虚に至るため、これを陽気不足の証と呼ぶ。 下焦の陽虚は最も深く、すでに精血の不足にまで及んでいる。下焦の元陽、すなわち命門の真火は、元気の源であり、先天の根本、諸陽の根基である。陽虚が深い者は、例外なく腎の元陽に関わり、すでにその根本を揺るがしているため、陽虚の中でも最も重篤なものである。 陽虚証は、多くの場合、大病や長期間の病気による消耗によって引き起こされる。あるいは、病気の最中に発汗・瀉下・寒薬による過度な治療が行われたり、病後の養生が不十分であったり、生冷な果物を過剰に摂取したり、過度の労傷、あるいは性生活の節度を欠いたりすることで、いずれも臓腑の陽気を傷つける。 陽虚が甚だしい場合、急を要すれば脱に至り、緩やかであれば労損へと転じる。 陽虚証において、上焦の陽虚は 肺陽虚 、中焦の陽虚は 脾陽虚 、下焦の陽虚は 腎陽虚 である。肺陽虚は、多かれ少なかれ脾陽が不足して金を温められず、 肺脾陽虚証 となり、これが上焦陽虚の本病である。肺は衛を主るが、肺陽が不足して衛を充たすことができないため、肺衛陽虚証となり、これは上焦陽虚と表衛陽虚の合病である。肺は心の外護であり、腎の上源であるため、肺陽虚は常に心腎に及んで、 心肺・肺腎陽虚 の証を併発する。 中焦の陽虚は、脾胃を本病とするが、総じて脾陽が不足して胃を温められないことに起因する。脾陽が腸に運ばれないと、胃腸の合病となる。脾は後天の本であり、脾陽が不足して心・肝・腎を温められないと、心・肝・腎に併発し、心脾・肝脾・脾腎の陽虚証となる。 下焦の陽虚は、肝腎を本病とし、常に腎陽が肝木を温養できず、肝の陽気が衰えることに起因する。肝腎の陽気が胃を温められなければ、常に胃陽虚を併発し、心に上交できなければ、心陽虚証を併発することが多い。したがって、肝胃・腎胃の陽虚は合病となり、心肝...

第三節 陰虚証類

 陰虚証において、陰とは液類を指し、 津液、血液、陰液、精液 のすべてが陰類に属する。したがって、陰虚には気陰、陰液、陰血、陰精の区分がある。 陰虚証は、上焦においては肺の津液と胃液の虚、中焦においては脾胃の陰液の虚、下焦においては精血の虚となる。 上焦と中焦はいずれも気を主る働きがあり、その陰虚は必ず気にも及ぶため、気液や 気陰両虚 の証が多く見られる。下焦は元気が帰する所であり、すなわち 元陽・真火 である。下焦の元陰・真水が不足すると、元陽・真火にも及ぶことが多いため、下焦の陰虚は陽虚を併せ持ち、陰中の陽虚証となる。下焦は肝腎に属し、肝は血を蔵し、腎は精を蔵する。下焦の陰虚は、すなわち精血の欠損を示す証である。 真陰は下焦を根本とする。ゆえに、上焦の陰虚証は最も浅く、単に気液の不足に過ぎない。中焦の陰虚は陰液にまで及ぶため、やや深層となる。一方、下焦の陰虚は根本にまで及ぶものであり、真陰・元陰、すなわち精血の欠損であり、陰虚の中でも最も深く重篤な証である。 陰虚の原因としては、熱病による損傷、過度な発汗・瀉下・嘔吐・利尿、辛香燥熱による奪取、あるいは積労や積鬱により内から火が生じて陰液を消耗・灼焼すること、あるいは過度の出血、房労による精の消耗などが挙げられ、いずれも陰虚を引き起こす可能性がある。 上焦の陰虚は、 肺津と胃液の不足 であり、故に肺胃を本病とする。気液が不足して心陰を充養できなければ、心肺合病となる。肺は水の源であり、源が枯渇すれば下焦へ流溢して肝腎を潤養することができず、肝腎の証を併発しうる。これは上焦から下焦へと深く及ぶ変化であり、上部の損傷が下部に及ぶ所以でもある。 中焦においては、 脾胃の液が不足 することが中焦陰虚の本病である。脾胃の陰液が上方に心肺を潤すことができないと、心肺の病と合し、下方に肝を潤養することができないと、肝燥気横が併発し、逆に脾胃を制する。 下焦において 肝・腎の精血が不足 することは、下焦陰虚の本病である。脾胃を蒸潤することができず、中焦の脾胃陰虚と合すれば、下焦の損傷が中焦にまで及ぶ変化となる。腎の陰水が心に上交することができないと、心の陰もまた不足を感じることになり、これは下焦の損傷が上焦にまで及ぶ変化である。 陰虚証は、軽度であれば虚弱となり、重度で急性の場合は脱を招き、緩慢な場合は虚損を長引かせる。...

第二節 血虚証類

 血虚証とは、血液が不足している証であり、心・肝・脾の三臓と関連している。 心は血を主り、肝は血を蔵し、脾は血を統べる 。ゆえに血虚不足となれば、必ずこの三臓に病が生じる。とりわけ脾は、気化によって水穀の精微を送り、これを血へと化すことができ、 後天 の生血の源である。 肝は血を蔵し、婦人においてはこれを 先天 とし、腎と母子の臓と為す。 腎精 は肝に資され、これが先天の生血の源である。この二天に欠陥があれば、血の生成・変化の源が失われる。したがって、大病や長患いの後、あるいは平素の飲食不摂生や労累、憂思による鬱結、過度の心労、あるいは房室の節度を欠くことなどにより、心・脾・肝・腎を傷つけ、気血を消耗させ、次第に血虚不足に至ることになる。特に肝脾がその蔵・統の機能を失うと、血が経絡に帰らず、絡血が妄行し、血虚証はさらに急速に現れる。したがって、 肝脾血虚証 は血虚証の根本となる病である。 血虚により心を養うことができず、心は血の主を失い、心血虚となる。ゆえに、 心脾血虚証 および 心肝血虚証 は、血虚証の併発病とされる。 腎の陰精は先天の生血の源であり、いわゆる「 精血同源 」である。腎精が不足して肝血を充養できず、あるいは肝虚により腎陰が下吸される場合、いずれも肝腎同病に至り得るため、 肝腎血虚証 は血虚証の併病とされる。 血虚証の治療原則としては、総じて補血を優先すべきであるが、血は気から生じ、気は血を生じさせるものである。気虚が回復しなければ、必ず血虚を招く。また、血が過剰に溢れ出ると、気は血と共に失われ、気は極度に虚弱となる。したがって、血虚の証には、 気血両虚 のケースも多々ある。したがって、補血を行う際には必ず補気と併せなければならない。いわゆる「補気して血を生ず」ということである。また、精と血は同源であるため、腎精を滋養し、精を生じさせて血を生じさせることも、補血の要法であり、いわゆる「精を填めて血を生ず」という法である。证候系统:详见表81

第一節 気虚証類

 気虚証とは、臓腑の気が不足している証である。 精・気・神 は人体の「 三宝 」であり、中でも特に 元気 が主であり、生命の根源である。気が盛んであれば体は強く、気が虚すれば体は弱く、気が戻れば生き、気が失われれば死ぬ。元気は遍く内外に満ちている。臓腑にはそれぞれ気があるが、上焦の気は肺に主ツカサドられ、呼吸による 天気 を司る。中焦の気は脾に主られ、 水穀の精気 を司る。下焦の気は腎に主られ、 先天の気 を専ら司り、元気の根源となる。 気が虚になる原因は、一つには大病や久病により、邪気や薬気によって傷つけられて虚になること。もう一つは、労倦、飲食、七情、色欲などの過度により、消耗・損傷して虚となることである。『内経』に「脾気は精を肺に輸す」、「肺気は津を散らし、霧露の如く潅ぐ」とある。気には津液や精微が満ちているため、 気虚は津液や精微の不足をも招く。 気虚証の中には、津気・気液・気陰の両虚を併せ持つ症例も多い。気を補う際には、常に生津・滋液・養陰の法を併せて用いる。 また、気は血の帥であり、気は血を生じさせる。気虚となれば血は統摂を失い、経絡に帰らず外へ溢れ出る原因となる。気虚は血を生じさせる力が不足しているため、いずれも血虚を招く。故に気虚証は血虚を併せ持つことが多い。したがって、その治療法においては、甘温で元気を大いに補うことに加え、養血を併せ行うべきであり、これには「 陽生陰長 」の理も含まれる。 気虚証には三焦の区分があり、上焦の気虚は肺にあり、その病機は浅い。中焦の気虚は脾にあり、病機は比較的深い。下焦の気虚は腎にあり、すでに気の根本に至るため、病機は最も深い。 また、脾気虚を気虚の最も重なるものと見なし、上は肺に及ぶ。あるいは「土生金」により、脾気虚が肺気虚を招く。あるいは「子盗母気」により、肺気虚が脾気に及ぶ。故に、 肺脾気虚証 を上焦気虚の本病とする。 肺は気を主り衛に属し、肺気が不足して衛を固められず、衛気虚を招く。脾胃は臓腑として相連がり、脾虚は必ず胃に及ぶため、 肺衛・肺胃気虚証 を上焦気虚の合病とする。上は心に併さり、下は肝腎に併さるため、心肺・肝脾・肺腎気虚証を上焦気虚の病とする。 中焦は脾胃が所在するところであり、 脾胃気虚証 は中焦気虚の根本的な病である。下は二腸と結びつき、倉廪の根本となる。脾胃気虚が長く続けば必ず二腸に...

第十三章 虚証門

 『内経』に「精気が奪われれば虚となる」とあるように、虚証とは臓腑の精気が不足している証である。気、血、陰、陽はいずれも臓腑の精気であるため、虚証には気、血、陰、陽の区分がある。気虚証は虚証の中でも軽微な証であり、血虚証はそれより重く、陰虚証と陽虚証は虚証の中でも重篤な証候である。 気は血を統べ、気は血を生じさせるため、気虚の者は血虚を招きやすい。また、血は気を載せるため、血虚の者は気不足となる。特に失血の症例では、気は血と共に脱しやすく、血虚もまた気虚を招くため、気血両虚の証が多く見られる。 陰陽は互いに根をなし、陽が生じれば陰も長じ、孤陽は生じず、独陰は長じない。ゆえに陽虚が長く続けば必ず陰を損なう。陰虚が甚だしいと、陽は陰を失い、 孤陽 が浮越することも多いため、陰虚が長く続けば陽にも及ぶ。したがって、陰陽両虚の証も少なくない。 このほか、 津液不足 も虚証の一種である。本来、陽津と陰液の区別があり、津液を生化させるのは気であり、津液を運行させるのも気である。ゆえに気虚証には常に津気または津液不足の兆候が見られ、また液は陰であり、常に陰血を伴うため、血虚・陰虚の者には常に血液または陰液不足の兆候が見られる。 虚は邪を招くこともあり、『内経』に「 陽虚は外寒を生じ、陰虚は内熱を生ず 」とある。これらは虚から邪が生じるものである。陰血が不足すると、内熱が生じて風となり、これを内風、すなわち 虚風 の証という。陰血の潤いが失われると、虚燥が内から生じる。燥が甚だしいと火が動いて、 虚火 の証となる。陽気が不足すると、虚寒が内から生じる。陽気が不足して気を化し津を運行できなくなると、津液が蓄積して痰となり、これを 虚痰 の証という。これらはすべて、虚から邪が生じる証である。证候系统:详见图263

第十二章 食証門

 食証、あるいは 傷食 とも呼ばれ、飲食の不適切によって引き起こされる病証である。「民は食を天と為す」と言われ、飲食は人生にとって不可欠なものだ。しかし、飲食の節度を欠けば、病を招くこともある。『内経』には「飲食を倍にすれば、腸胃は傷つく」とある。したがって、暴飲暴食、過度の飲食、あるいは空腹と満腹のタイミングを誤ること、生ものや冷たい果物を食べ過ぎること、また脂っこくて消化しにくいものを食べること、あるいは酒や濃厚な味付けの料理、焼き物、炒め物、辛味や香辛料の強いものなどを食べ過ぎることなどが、食傷の病を引き起こすことがある。さらに、労倦、憂思、鬱などの七情の不調和、あるいは外感の風・寒・暑・湿の際、無理に飲食することも、飲食の停滞を招き、食傷の証となることがある。 貪食して過飽し、食滞して消化されず、長く続けば 積聚 となる。初期の病状は食傷または食滞と呼ばれ、長期化すれば 食積 と呼ばれる。食滞が熱に転じたり、過食によって熱積が生じたりすることがある。飲食の不潔、特に普段から脂っこく甘く香ばしいものや、火が通っていない生ものを食べる習慣がある場合は虫卵が混入しやすく、腸内に滞留して病を引き起こすことがある。これらを「 積熱 」または「熱積」と呼ぶ。いずれも飲食の不適切によるものであり、食傷や停滞を引き起こす。 その治療法は、いずれも消食導滞の法に従って除去すべきである。積熱の場合は、清瀉を併せて行う。虫積の場合は、駆虫を併用する。しかし、食滞は飲食の不適切に起因するものの、脾胃は必ずその影響を受けるため、消導を行った後は、必ず脾胃を調補し、その運化の力を助けることで、再発の懸念を避けることができる。食证证候结构图见图252

第十一章 飲証門

 飲証は、通称して 水飲証 とも呼ばれ、また 痰飲 とも呼ばれる。水・飲・痰の三つは、本来同源のものであり、いずれも人体の津液が変化したもので、すなわち水液の運行異常によって生じる病理的産物である。しかし、その外観によって分ければ、清稀なものを飲とし、稠濁なものを痰とする。その属性によって見れば、飲は陰に属し、痰は陽に属するという区別がある。すなわち、水と飲は、同源であるとはいえ、わずかながら区別があり、少量であれば飲とし、集まれば水となる。しかし、総じて陰邪に属し、肺・脾・腎の三臓の陽気を病む。 肺気が水道を通調し膀胱へ下送できず、脾気が胃と共に津液を行らせず、腎陽が水液を気化・排泄できない場合、いずれも水液の停滞を招き、水飲の証となる。 また、水飲には 内飲 と 外飲 の区分がある。外飲は日常の飲食や水穀に由来する。例えば、夏に冷水を貪り飲み、生ものや冷たい果物、氷を好んで食べ、脾胃の陽気を鬱滞させる場合や、冬に茶や酒を好んで飲み、厳寒の季節に陽気が蟄蔵し、運化が不足する場合、あるいは外感風寒により肺陽が鬱塞し、宣化の力が弱まる場合など、いずれも水飲を形成し得るもので、これを外飲と呼ぶ。内飲は、腎命火衰により、気化が及ばず、水液が停滞することによる。故に、外飲は実証が多く、内飲は虚証が多い。 水飲の証は、総じて陰邪に属し、最も寒に転じやすい。あるいは外寒を伴って発すれば、通称して 寒飲 の証と呼ばれる。しかし、飲は陰邪であり、陽気を鬱遏させやすく、陽気が長く鬱すると熱に転じる。あるいは外感の温暑の熱を併せ持つ場合、これを 飲熱 の証と呼ぶ。 飲証の治療原則は、総じて温法を用い、陽気を助けて陰濁を化すことにある。『金匱要略』には「痰飲の病には、温薬をもって和すべし」という法がある。古人は「 外飲は脾を治し、内飲は腎を治す 」という原則を掲げており、すなわち脾腎の陽気を温通させ、その気化を助けることで、津液は自ずから巡り、飲留の患いを防ぐのである。たとえ虚証で補法を用いるべき場合でも、陽を助けるにとどめ、陰を滋養してはならない。舒馳遠は「水飲を治すに陰を滋養してはならない。陰を滋養すれば陰はますます長じ、陽はますます消え去る」と述べているが、これこそが飲証を治す上での要諦である。饮证证候结构图见图230

第九章 瘀証門

 瘀証は、通常、 血瘀 証、あるいは 瘀血 証と呼ばれる。血液は脈管内を巡り、絶え間なく循環しているが、内外の要因の影響により血行が鬱滞し、次第に血液が凝集・滞留して瘀血となる。例えば、外傷や捻挫、打撲による瘀血は発症が速い。あるいは、多量の出血の後、あるいは女性の月経や出産の時期に、経路から逸脱した血が瘀血となる。あるいは、長期の病気の後期に、病邪が気から絡脈に入り、絡脈の血が鬱滞する。あるいは、大病の後、陽気が虚弱となり、血を運ぶ力が失われて血行が鬱滞するなど、その発症は緩やかである。 瘀には寒熱の区別があり、 寒瘀 は陽気が鼓動できず、血液が凝滞して瘀となるもので、すなわち呉坤安の言う「血は寒により凝る」というものである。 熱瘀 は熱邪が血に入り、熱と血が相搏して次第に瘀血となるもので、張仲景は「熱が通る所、血は凝滞する」と述べている。しかし、寒瘀が長く続くと熱に変わり、あるいは熱邪が宿瘀を刺激して、いずれも熱瘀となる場合がある。 このほか、気の鬱結によって瘀血が生じるものを 気瘀 といい、『雑病源流犀熾』には「気は血を運ぶ。血は本来気に従って周流するが、気が凝れば血もまた凝る」とある。また、痰によって瘀が生じたり、あるいは瘀によって痰が生じたりする場合もあり、いわゆる「老痰死血」の 痰瘀 証である。これは丹渓の言う 「肺脹して咳をするのは、痰に瘀血が混じり、気を妨げて病となる」とあり、王清任は「内に瘀血があれば、気道を阻害し、昇降できなくなるため、鬱積して咳となる。痰水の鬱積は、瘀血によるものであることを知らなければならない」と述べている。このほかにも、長期間の病気により気血が虚弱となり、鼓動する力が不足して血行が緩慢になり、次第に停滞して瘀血となる場合がある。これは虚から瘀を生じる証であるが、依然として寒熱を区別する必要があり、寒瘀・熱瘀の範疇に含めるべきであり、単に虚が混在しているに過ぎない。 血の流行は、気の推進によるものであり、いわゆる「気は血の帥」である。気が行れば血も行り、気が滞れば血瘀となる。ゆえに治療の原則として、瘀血を治すには必ず先に気を巡らせなければならない。気が行れば血も行り、寒瘀には温めて行らせ、熱瘀には清めて行らせる。これこそが大法である。 证候系统:详见图179

第八章 気証門

 気証とは、臓腑の気機が鬱滞し、その運行が滞り、臓腑の気自らが病となるものであり、外からの邪気によるものではない。気は本来、臓腑が備えるものであり、臓腑の主要な機能であり、総称して臓腑の「気」と呼ばれる。古人は「流行するものを気という」と述べた。すなわち、気は流行をその体とし、昇降出入をその用とする。臓腑の気が秩序正しく流行すれば、昇降出入は自如となり、滞りなく暢行し、これが人体の 正気 である。もし流行が不暢で、昇降出入が錯乱して秩序を失えば、それは気病となるものであり、正気が邪気に転化し、これを病因と見なす。 気の流行が滞り、もし外邪の干渉によるものであれば、その病は依然として外邪による病に属し、気病には属さない。しかし、もともと気鬱のある人が、偶発的に外邪に刺激され、内外が合致した病を発症する場合がある。例えば、夾気傷寒、中悪、痧穢などは、 外感夾証 に属し、依然として外邪の病証である。これは気病の実証について述べたものであり、気病の虚証、すなわち気虚証については、虚証の項に属する。 気病の原因として、病は 七情 の失調に起因する。『内経』には「怒れば気は上り、喜べば気は緩み、悲しめば気は消え、恐れば気は下り、驚けば気は乱れ、思えば気は結ぶ」とある。七情が過度になると、必ず気機の昇降出入が乱れ、気病が内から生じる。実証の気病は、多く 憤怒 や 憂思 に起因し、臓腑の気機が鬱滞して、 気鬱 の症として発現する。気機が鬱滞し、疏解されなければ、長く続けば必ず血液や津液にまで影響を及ぼす。気は血の帥であり、気が行れば血も行り、気が滞れば血も滞る。気鬱が長く続けば、必ず血の滞りや 血瘀 を招き、 気瘀 の証となる。津液の流行もまた気の運化にあり、気機が鬱滞すれば、津液の流行も阻害され、長く続けば痰飲となり、これこそが 気痰 の証である。さらに、気鬱が火に転じ、特に肝は相火を蔵する。肝鬱が長く続けば、必ず相火が内から動いて、気火が併発し、 気火 証となる。 気病の実証は、すべて気鬱に起因し、情志の病である。薬による治療はあっても、草木は無情であり、七情の失調による病を治すことは実に難しい。古人はよく「薬は逍遥(自由自在)であるのに、人は逍遥ではない、どうすればよいのか」と嘆いた。ゆえに、心を和らげ性を養い、怒りを戒め憂いを節制し、常に心を広く気を通暢に保てば、鬱...

第七章 火証(熱証)門

 火証と熱証、火と熱は同根であり、熱は火の初期段階、火は熱の極致であり、ただその程度が異なるに過ぎない。近代の秦伯未は、「熱は無形と有形の両方に属し、これらは互いに通じている」と述べている。 火熱の証は極めて多く、その病態も広範である。『内経』の病機に関する19条のうち、火熱について論じているものは10条のうち8条、寒について論じているものは10条のうち2条である。程鍾齢は言う。「朱丹渓はさらに『虚実』の二字をもってこれを論じ、実に善言なり。実火とは、六淫の邪気や飲食傷が、外より入り、その勢いは賊の如し。」 虚火 とは、七情や色欲、労役による神気の消耗が、内より発し、その勢いは子の如し。火は六淫の末端であり、六淫はいずれも火へと化すことができ、外邪の火となる。痰飲、食滞、気鬱、血瘀もまた火へと化すことができ、内邪の火となる。これらはすべて 実火 、 邪火 に属し、すなわち程氏が言うところの 賊火 である。しかし、正気もまた火に化すことができ、例えば心の 君火 、肝の 相火 、胆の 雷火 、腎の 龍火 、すなわち命門の 命火 は、静止している時は正火、少火であるが、動けば邪火となり、壮大となる。 少火は気を生じ、壮火は気を食う。多くは虚火である。故に火証には内外の虚実の区別がある。実火は消耗し、実から虚へと至る。虚火が熾烈であれば、虚中に実が挟まれていることになる。 また、「 鬱火 」という一証について、古人は多く気鬱が火へと化す気火証を指したが、風・寒・湿・痰による火証を鬱火証とする場合もある。現在の実例によれば、心情の鬱屈や鬱怒によって生じる 気鬱化火 を気火証とし、風・寒・湿・痰・食などの内外の陰邪が混ざり合って気機を鬱滞させ、陽気が宣泄できず、長く鬱積して火に変わる証を鬱火証とし、火鬱とも称する。すなわち『経』に「火鬱は発すべし」と説く鬱火証である。程鍾齢は『駆賊火四法』において、「第一に発。風寒が閉塞し、火邪が内に鬱するものは、昇発させるのが宜しく、升陽散火湯の類がこれにあたる」と論じている。これより、鬱火証は気鬱が火に転じた気火証とは異なることが分かる。 火証の治療原則においては、虚火と実火を区別すべきであり、程鍾齢はこれについて極めて詳述している。その原則として、「外火は風・寒・暑・湿・燥の火、および熱食による損傷であり、これらは賊火である。賊は...

第五章 湿証門

 湿は本来陰邪であり、四季を通じて存在し、引き起こす病気も多岐にわたる。特に江南のような湿気の多い地域では、湿の邪気が蔓延しており、湿による病気が最も多い。 湿は常に他の邪気を伴う:風を伴えば 風湿 、寒を伴えば 寒湿 、暑を伴えば 暑湿 、熱を伴えば 湿熱 と呼ばれる。 このほかにも、燥を挟むと「外湿内燥」や「外燥内湿」といった 燥湿証 があり、また湿が枯渇して燥や火に変化する 湿火証 、脾湿が生じて痰湿となる 痰湿証 などがあり、いずれも湿邪によって引き起こされる。 湿には内外の区別があり、 外湿 は雨露、あるいは穢れた瘴霧の気、あるいは季節の暑湿が蒸騰する気などによって感染され、多くは口や鼻から吸入して上部を傷つける。また、水に浸かったり水に落ちたり、あるいは長期間湿地に居住したりする場合は、下から受容されることが多く、総じて外湿に属する。 内湿 は、飲食の節度を欠き、酒や濃厚な味付けの物を過度に摂取し、冷たいものを飲み生ものを頻繁に食べるなどにより、脾の健運機能が損なわれ、湿が内から生じるものであり、これを内湿という。 このほかにも 伏湿病 があり、外から湿邪を受けても当時は発症しなかった場合、あるいは発症したが治療を怠った場合、あるいは治療したものの完治せず、残った湿気が体内に蓄積した場合、あるいは内湿が長く蓄積した場合、これらはすべて伏湿に属する。伏湿が熱に変わり、湿から熱が生じ、 湿温 として発症するのは、まさに伏湿が病となる例である。 湿は本来陰の邪であり、寒を挟めば水に化し、風を挟めば火に化すことが多い。湿が鬱積して熱を生じ、熱は湿から生じる。湿は熱の外にあり、熱は湿の中にあれば、 水と火が合化する。 古人はこれを、油が粉に混ざったように、解きほぐすことも分けることも難しいと喩えた。しかし、生まれつきの陰陽の偏勝・偏衰もまた、湿邪の転化を助ける。陽虚の体質は、湿に感ずれば多かれ少なかれ水から寒へと化す。陰虚の体質は、湿が多かれ少なかれ火から熱へと化す。これこそが湿邪の転化であり、その全貌は天時にのみあるのではなく、人事にも関わるのである。 したがって、湿病の治療は総じて温燥に従うべきであり、古人は「水は湿に流れ、火は燥に就く」と述べた。湿を治めるには温燥を適とし、寒潤を忌むべきである。寒潤は陰をますます長じさせ、陽をますます消すからである。...

第四章 暑証門

 暑は本来陽邪であり、夏の病因である。『経』に「天においては日、地においては暑」とあり、暑の性質は本来熱である。湿を伴うのは、夏の熱が蒸し立ち、湿気が上昇し、湿熱が交合するためである。人はこの気交の中にあり、これに感ずれば暑となる。ゆえに「暑は必ず湿を伴う」と言われ、通称して 暑湿 と呼ばれる。 また、夏月の地気は上蒸し、穢濁の気を帯びることが多い。暑湿は穢濁を併せることが多く、熱が主たるものを「 暑穢 」、湿が主たるものを「 湿濁 」と呼ぶ。人がこれを受けると痧病を発するため、また「 痧穢 」とも称される。もし梅雨の時期に発症すれば、「 霉湿 」と呼ぶ。 風を伴うものは「 暑風 」または「 風暑 」と名付けられ、 寒を伴うものは 陰暑 と称する。暑は陽邪であり、本来陰病となるべきではないが、古人は夏月の陰寒を受けて病となる者を陰暑と呼んだ。これは実際には寒病であり、暑病ではない。後世では、湿が偏重した暑湿を陰暑と呼ぶようになった。これは湿が重く、外寒を伴って発症するためである。あるいは涼を貪り、生冷な瓜果を過度に摂取して寒湿が内から生じる場合も、陰暑と称する。要するに 陰暑とは、暑月の陰寒のことである。寒湿の項に求むべきである。 暑病のうち、損傷が浅いものは 冒暑、傷暑 と名付けられ、損傷が深いものは 中暑 と名付けられる。これらはすべて、感病して直ちに発症する新感暑病である。感病しても直ちに発症せず、時を経て発症するものを 伏暑 といい、伏暑は秋に多く発症する。冬、あるいは甚だしい場合は春に発症するものは、伏暑晩発と呼ばれる。秋月にして涼しくなく、秋陽に曝され、感病して暑病を発するものは、 秋暑 と名付けられ、秋に発する伏暑とは、新感の伏気という点で異なる。 もし暑が湿を伴わず、病勢が軽く緩やかなものは 暑温 と称し、病勢が重く急なものは 暑熱 と称し、燥熱・燥火の証治と同様である。 暑温が湿を伴うものは、湿熱・湿火の証治と異ならず、各門において探求すべきである。しかし、暑は湿を伴うことが多く、湿熱と通じる面もあるが、異なる点もある。暑は風を伴うことが多く、湿は寒を兼ねることが多い。また、穢濁の気が常に混在しているため、その治療法は湿熱とは著しく異なる。暑を清め湿を化すには、必ず辛香を用いて陽を通し寒を散らし、風を祛り、芳香をもって穢れを除き濁りを化し、...

第三章 寒証門

 寒証にも内外の区別があり、 外寒 には二つの経路がある。一つは気候による寒であり、冬を除き、他の三季の急激な寒さが挙げられる。特に夏に暑さゆえに涼を求め、寒気を受けることが最も多い。冬の厳寒においては、いわゆる「君子は身を守り密にすれば寒に傷つかない」というのは言うまでもなく、他の季節の急激な寒さに対しても自ら防ぐことを知っている。ただ、夏に涼を求め寒気を受けるのは自ら招いたものであり、古人はこれを「 陰暑 」と呼び、すなわち暑月の陰寒証である。 二は生冷な飲食による寒であり、これも外から受けるものである。この 外感陰寒 と 内傷生冷 による陰寒証に対し、古人はこれを「 両感陰証 」とも呼んだ。しかし、これは太陽・少陰の両感陰証とは異なり、前者は中焦に病があり、後者は下焦に病がある。 外寒のうち風湿によるものが多く、これを風寒証、風湿証と呼ぶ。急激な寒熱の変動時には、熱を伴うものも少なくなく、これを寒熱証、あるいは 外寒内熱証 と呼ぶ。もともと体内の火が旺盛な者は、寒を招きやすく、内外の邪気が合致した 寒火証 となりやすい。 内寒は陽虚に起因し、虚寒によるため、 虚寒 と呼ばれる。陽虚の体質は本来寒に弱いため、内寒に外寒が加わることもよくある。 内因として飲湿を伴う場合も、やはり 陽虚 と関係がある。陽虚は気を化して水を巡らせることができず、飲が停滞するため、これを寒証と呼ぶ。血が寒に遇えば凝結して 瘀 となり、これを寒瘀証という。 寒証の病は総じて陽気に関わるものであり、寒邪が必ず陽気を困らせるだけでなく、寒邪に感受する者は、もともと陽気が不足しているために、特に寒に感受しやすい。故に寒を治す法は、常に「寒には温をもってし、陰を駆逐し陽を護る」という原則に帰着する。外寒には温散が適し、すなわち陽を通じ寒を散らす法である。内寒には温補が適し、すなわち陽気を温補して陽を助けて寒を駆逐する法であり、いわゆる「火の源を益して陰翳を消す」法である。邪正は異なり、虚実は区別され、治法もまた異なる。 图25 寒证门证候结构图

七、肝胃風寒証‥‥風寒証転証

 肝胃風寒証は、風寒転化証の一つであり、風寒が表から裏に入り、肝胃の陽気を鬱遏させてはいるものの、まだ内陥しておらず、裏中の表証である。陰経に属するとはいえ、陰から陽へと導くことが可能であり、表へと導き出して解すことができる。 病機は依然として上焦にあり、邪気は新たに裏に入り、あるいは枢機を鬱悶させている。邪気が厥陰に入ったとはいえ、依然として 半表半裏 に位置しているため、依然として疏利して枢機を転じ、表に出して解すことができる。あるいは清陽を鬱滞させ、空竅を塞いでいる場合は、陽を通じさせて邪気を宣散させるべきである。 長く留まって去らない場合は、必ず陽絡に滞留し、 頭風 や 頭痛 を引き起こす。陽を通し邪を散らすには、必ず血を和らげ絡を通りやすくすることを併せて行い、古い風寒を駆除しなければならない。 総じて肝胃の陽気が宣発できないことに起因するため、治療法もまた陽を通し宣発することを主とする。 证候别称:风伤厥阴。 病例名称: 【中医】:阴伤风,偏正头疼,头风,耳聋,眉棱骨痛。 【西医】:丛集性头痛,血管神经性头痛。 基本证象: 【阳气不宣】症象:1恶寒发热。       舌象:1舌质淡红,苔薄白,2苔薄白而中间微黄。       脉象:脉浮滑者。 【气机不宣】症象:胸胁苦满。 【清空不宣】症象:1头晕目眩,2偏正头疼,3或巅顶作  【清窍不宣】症象:1目眩眩晕鼻塞,2耳鸣耳聋,3咽中 似有痰阻,咯之不畅。 【气机不降】症象:恶心呕吐。证候系统:(详见图12)

六、胆胃風寒証‥‥風寒証転証

 胆胃風寒証は、肺衛風寒証が 半表半裏 へと移行した証である。 風寒の邪気は肺衛の腠理から上焦へと移行し、胆胃の気の枢機を阻害する。すなわち、俞根初が言うところの「この邪気は腠理に鬱滞し、上焦に逆行し、少陽経の病は半表に偏する証である」ということである。 その病機は、表裏の不調和、昇降の不順、邪気が達しようとして達しないことにある。寒熱往来、胸脇苦満、心煩、しばしば嘔吐し、脈弦、舌苔白を主要な脈証とする。 その治療法は、胆胃の枢機を疏利し、表裏昇降を調和させ、邪気を外へ発散させることを主とする。しかし、風寒である以上、当然疏散すべきであり、その風寒はすでに裏へと徐々に侵入しているものの、表の邪気はまだ残っているため、依然として表から分解することができる。 仲景には、「桂枝を三両加え、温めて覆い、微汗を誘えば治る」という法がある。しかし、無理に発汗させて津液を損ない、熱や火に化すことは避けなければならない。故に仲景は、「柴胡湯を服して、渇きがある者は陽明に属し、その法で治す」と述べている。必ず「 上焦が通じ、津液が下り、胃気が和らぎ、全身に汗が滲み出て解かれる 」のを待たなければならない。 证候别称: 太、少两阳合病 ,少阳病偏表,少阳病偏裏。 病例名称: 【中医】:少阳兼表,少阳病偏裏,少阳经证,夹气伤寒,寒疟。 基本证象: 【阳气不和】症象:1微恶寒,2手足温而渴。       舌象:舌苔白滑,或舌尖苔白,或单边白,或两边白。       脉象:1脉沉紧,2脉弦滑,左弦而浮大。 【腠理不调】症象:1寒热往来,2身热恶风。 【清空不宣】症象:1颈项强,2头痛,头痛,耳聋目眩。 【气机不宣】症象:1胁下满,胁下鞭满,2胸胁满疼。 【气机不降】症象:1欲呕,2干呕不能食。证候系统:(详见图11)

五、肺腎風寒証‥‥風寒証并病

 肺腎風寒証は、主に腎気がもともと虚弱な人が、外感した風寒が直接肺と腎を侵し、上下両焦が併発する証である。傷寒学では「 太陽少陰両感証 」とも呼ばれ、 表実裏虚 の「夾虚表証」でもある。 腎は水火の臓ではあるが、主に腎陽虚が中心であり、陽虚であれば陰邪が侵入しやすくなる。もっとも、腎陰虚によって風寒に罹患するケースもある。陰の中に陽虚がある者も、風寒に罹りやすい。したがって、概ね陽虚による邪気感受と陰虚による邪気感受に分類できる。 陰虚の者はしばしば内熱を伴い、あるいは風寒が長く伏せているうちに熱へと化して、 少陰伏気温病 となることがある。そのため、寒熱が錯綜する症状が現れることもある。もし病状が軽くて発症していない場合、あるいは治療が遅れて失策した場合、病邪が滞留して絡に侵入し、陽絡に留まったり、血絡に滞ったりして、頭風、骨痺、骨瘤、截瘫などの疾患を引き起こすこともある。 肺腎風寒証の治法は、総じて陽を助けて邪を駆逐し、温散を主とする。陰虚の者には滋陰清潤の品を参入させるべきであるが、邪が滞る恐れがあるため過度にしてはならず、必ず通陽散邪の品をその中に佐用し、腻滞の弊害を防ぐ必要がある。すでに内熱がある場合は、清解の効能を持つ生薬も不可欠であるが、その軽重や急迫度を慎重に考慮し、先に温めてから冷やす、あるいは寒温を併用するなど、状況に応じて決定し、偏った処置をしてはならない。 证候别称:太阳少阴两感,肝肾虚寒,戴阳重症,客寒犯脑,风寒入络。 病例名称: 【中医】:阳虚伤寒,夹阴伤寒,阴分伏温,少阴伏温,阴虚伤风,阴虚伤寒,房劳外感,房劳内陷,阴虚劳复,产后 ,伤寒,伤寒坏证,嗜眠症,暴哑,咽痛,头痛,头风,骨痹,截瘫。 【西医】:感冒,乙脑,雷诺氏症(植物神经功能紊乱),骨瘤,横贯性脊髓炎。 基本证象: 【阳气不振】症象:1身体蜷卧,2恶寒鼓慄,3口淡喜热饮,4不能嚏,5四肢厥而不逆,6神情颓唐。       舌象:舌淡红润淡白,少苔。       脉象:1脉沉细迟无力,2右沉迟。 【阴虚失养】症象:1唇燥,舌燥口渴,2腰膝酸软,3尿少而赤,4口燥咽干。       舌象:舌紫而于,舌形虽湿而干。       脉象:脉沉细。 【腠理不宣】症象:1恶寒发热无汗,2身热不扬,微有恶寒,3战寒体痛,左半边有汗。       舌象:苔白滑。       脉象:1...

四、肝肺風寒証‥‥風寒証并病

 肺は気を主り衛に属し、肝は血を主り営に属する。風寒が直接肺と肝を侵すため、 営衛気血 に併発する証となる。発症には浅深の区別があり、邪気が浅く侵す場合は、依然として表証の兼夾証である。実を兼ねる場合は、表証に気滞血瘀を伴う。虚を兼ねる場合は、表証に気血陰陽の虚を併せ持つ。 邪が深く侵す場合は、経絡に直撃し、 痺痛 や 麻痺 などの難治性疾患となる。深く重篤な場合は、胸中を直撃し、胸陽を閉塞させ、中風の重篤な証となる。 風寒に犯されたものである以上、その治療法は、当然、風寒を宣発疏散することを主とし、併せて気血を調えるべきである。治療が適切であれば、速やかに解消することも難しくないが、もし治療が遅れれば、最終的に 難治性疾患となる恐れがある。 证候别称: 夹气伤寒,血虚感寒,风寒入络,风中血脉,风中经络,风寒痹阻,营卫痹阻,中风阴证,孤阳浮越,气阴两脱。  病例名称: 【中医】:伤寒、风寒气,夹瘀伤寒,血虚伤寒,失血伤风,产后伤寒,产后发热,经期伤寒,热结血室,风隐疹, ,真中风,中脏,中风身痱,中络,偏瘫,血痹,脐风撮口,经行抽搐,行痹,着痹,虚脱。 【西医】:感冒,荨麻疹,神经拘挛症,类风湿性关节炎,脑血栓。 基本证象: 【阳气不宣】症象:恶寒无汗。       舌象:舌苔白滑,甚或白滑而厚,或前半无苔,中后白腻而厚。       脉象:甚则沉弦而涩。 【腠理不宣】症象:身热恶寒无汗。       脉象:脉左浮紧,右弦急,或浮或沉。 【气机不利】症象:1胸胁痞满,胸膈痞满,满而不痛,2胸胁痛,3胸脘满痛。       脉象:1右沉弦,2沉涩,3右关沉滑,4弦急而滑。 【清空不宣】症象:头痛。 【气机不宣】症象:胸闷太息。 【气机不降】症象:1恶心吐酸,2气从上逆。 【清窍不宣】症象:1鼻塞,2咽阻。证候系统:(详见图9)

三、肺脾風寒証‥‥風寒証合病

 肺脾風寒証は、多くが脾胃の陽気が衰弱しているところに、突如として風寒に罹り、表から裏へ、上焦から中焦へと侵入し、表裏合病となるものである。傷寒学ではこれを 太陰中風証 と呼ぶ。肺は皮毛を主り、脾は肌肉を主る。肺脾は内において上中清陽の気を主り、気化によって津液を司るため、純粋な表証は少なく、表裏合病が多く、 虚証 を併せ持つものが特に多い。 総じて風寒が鬱滞し、上中焦の清陽の気を阻害するため、外には腠理から発散して四肢を充実させることができず、内には津液を運化して水精を敷布することができない。あるいは気と共に下陥して 泻痢 を呈したり、あるいは外へ溢れて肌腠に溜まり 水腫 となったり、経絡に滞留して 痲痺 を来したりする。 肺脾は上中の清陽を司り、営衛もまたその主たるものであるため、その治療法は総じて陽気を温通させ、中陽を鼓舞し、清陽の気が昇発できるようにし、その後表裏に通達させれば、風寒は散じ、気機の昇降は秩序を保つ。風寒の邪は自ずから裏から表へと達して解消され、外から入った邪は同じく外へ排出される。たとえ裏証があっても、裏証を取り除けば裏も解消される。これがいわゆる「表が解せば裏は自ずから和する」ということである。 证候别称: 太阴中风,虚人外感,气虚伤寒,阳虚伤寒,感冒流连,挟表下利,协热下利,漏底伤寒,风水,风中经络。 病例名称: 【中医】:伤寒,寒疫,阴暑,表虚伤风,气虚伤风,伤寒夹夹食,阳虚夹痰,血虚发热,小儿胎疟,风瘾疹,挟表 痢,疟痢并作,气肿,肤胀,裏水,真中风,中经络,风痱,风痿,小儿五鞭。 【西医】:感冒,慢性感冒,荨麻疹,席汉症,腺病毒肺炎,急性肾小球肾炎,急性脊髓炎,上行性麻痹。  基本证象: 【阳气不宣】症象:1形凛,2畏寒,3泄泻。       舌象:苔白膩。       脉象:1脉沉缓,2沉弦,3脉沉迟。 【腠理不宣】症象:1恶风寒发热,2无汗,3汗出不透。       脉象:脉浮缓。 ,【清空不宣】症象:头痛。 【清窍不宣】症象:鼻塞流涕。 【经气不宣】症象:1四肢烦疼,2四肢热甚。 【气机下陷】症象:1下利,2腹痛,3下利白色黏液,裏急后重,4腹鸣。 【气机不宣】症象:1脘痞,2不饥不食,3胸闷,4小便不利,5咳嗽。 证候系统:(详见图8)

二、肺胃風寒証‥‥風寒证合病

 肺胃風寒証は、外感風寒により邪気が偏重し、肺胃の陽気を直接的に鬱滞させる証であり、風寒証の 表裏合病 の一つである。傷寒学では、通常、 陽明経証 、あるいは 太陽・陽明合病 と呼ばれる。総じて、風寒が肺胃の陽気を鬱悶させ、外では衛陽を鼓動させることができず、表証となる。内では清陽を宣発させることができず、表裏の証となる。その治療法は、胃の陽気を宣通・鼓動させることを主とし、それを衛陽に至らせて肌筋に行き渡らせ、内では清陽を宣発させて表裏上下に通行させれば、鬱悶させた風寒は一挙に外へ達して解消される。もし宣散を誤れば、風寒の鬱滞が解消されず、陽気が営に鬱積して 斑 となり、清陽に鬱積して 狂 となり、肺に上逆すれば 喘満 となり、下に陥れば 下痢 となる。これらはすべて転変の証に属する。 証候の別称: 感冒風寒、陽明中風、陽明経証、陽明風寒、 陽明傷寒、太陽陽明合病、二陽併病、漏底傷寒、発汗発狂、発斑傷寒、傷寒夾斑。 病例名称: 【中医】:感冒、陽明傷風、陽明表虚証、寒疫、労復、風寒夾虚、傷寒下痢、傷寒壞病、風疹、発斑、狂汗、肺痺、久咳。 【西医】:感冒,流行性感冒,急性荨麻疹。 基本证象: 【阳气不宣】症象:1憎寒,2肢懈,3恶寒,4手足厥。       舌象:苔淡灰薄膩。       脉象:1脉浮紧,2浮洪微滑,3脉浮而长。 【腠理不宣】症象:1恶寒发热无汗,2恶风无汗,3突发周身 ,剧烈瘙痒,继发大小不等之风疹。       舌象:苔薄白。 ,脉象:1脉弦缓,2脉浮有力。 【气机不宣】症象:1胸痞,2胸满,3小便不利,4咳嗽, 5不食。 【气机不降】症象:1恶心,2气逆作呕,3气喘,4呕吐酸苦。 【清空不宣】症象:1头额目痛,2眩晕。 【清窍不宣】症象:鼻干不得卧。 【经气不宣】症象:1身痛如束,2关节酸痛,3项背强痛,腰脊强。 证候系统:(详见图7)

三、脾腎虚風証‥‥虚風証并病

 本証は虚弱の人や久病の躯に多く,病いは中焦と下焦に発し,脾腎虚弱で, 肝風 が内起するのだが,実は肝・脾・腎の三臓并発の証である。脾腎は先后天の本で,陰・陽・気・血の源である。病いが脾腎に及ぶとは,根本が已に傷つき,肝は養われず,虚風が暗動し,上では空竅が擾ミダされ,清陽が保たれない;外では経絡が竄擾されて,血脈が養われない;劇しければ陰陽閉脱の変となる。故に治則は脾腎の陰陽を調補することが主で,根本を固める;平肝熄風を佐とし,標を治す。標本兼顧すれば,虚は回復し風は熄ヤむ。 証候別称:内閉外脱,土衰木旺。 病例名称: 【中医】:眩暈,頭痛,慢驚風,慢脾風,震顫。 【西医】:頚椎綜合征,梅尼埃病。 基本証象: 【陽気不振】症象:1腰酸乏力,2腰痛如断,3汗出悪風,4四肢酸楚,5飲食少思,6大便急迫溏薄,7小時有遅緩。       脈象:1脈弦細,2脈沈細而濡。       舌象:苔薄白。 【陰虚失養】症象:1身体痩弱,2頭痛,3失眠,4耳鳴目眩。       脈象:脈弦細数。 【気機冲逆】症象:1時汎清水如涌泉,2汎酸,3欲嘔。 【陽気不行】症象:下肢厥冷。 【気機不利】症象:腹脹欲嘔。 【陽気浮越】症象:1頭暈目眩,視物如旋,閉目則稍緩,2両耳鳴,3額痛,4頭痛如劈,5突然仆倒両次,神志清楚,数小時后如常,6夜寐多梦。       脈象:1脈浮弦,2脈略数。(図24)

二、肝脾虚風証‥‥虚風証合病

 肝脾虚風証とは,肝血と脾気の両虚のために,養肝することができずに,肝風内動となる証である。古人は土虚のため木を安んずることができないと,風木が反って脾土に乗ずるという,土不安木の象と喩える;或いは 土衰木旺 と称する。其の病いは外では空竅を上擾して,頭痛・眩暈となり;経絡を外竄しては,痿・痺・瘫痪となり;神明を内擾しては,失眠・驚悸となる。 初めは気血の虚であるが,久しくなれば陰陽に傷及する,故に肝脾虚風証の,風は肝より起るけれど,肝風の動きは,気・血・陰・陽と変化する。故に治則は補虚による熄風ではあるが,益気・養血・滋陰・助陽と重点は変わる;但し肝血・脾気が本であるから,気血を補益して肝風を終熄させることが,肝脾虚風証の主なる治法である。特に補脾益気は重点であり, 脾気健なれば即ち肝木を安んずることができる ;しかも且つ益気すれば血を生ずる,古人は云う:有形の血は,無形の気から生ずる;血が旺んなれば即ち肝を養う,肝が濡養を得れば則ち内風は起らず,虚風は自ら熄ヤむ。 証候別称: 血虚風動 ,血虚陽亢,血虚生風,血虚肝燥, 陰虚風動 ,液涸動風,土不安木。血不養筋,厥陰冲気,肝風頭痛。 病例名称: 【中医】:眩暈,血虚眩暈,頭痛,偏頭痛,頭風,揺頭,磨牙,嗜睡,復視,唇風,谷労,子腫,癇厥,痿軟,痿,躄,瘫痪瘛瘋,鶏爪風,風痺。 【西医】:高血圧,血管神経性頭痛,晩期妊娠中毒症,頚椎綜合征,重証肌無力,脳干脱髄鞘病,脳膜瘤,脳腫瘤術后遺症,脳溢血后遺症,脳血管痙攣,脳血栓形成,小児麻痺症,乙脳后遺症,脳震動后発癲癇,低钙抽搐,産后破傷風,産褥感染,黏多糖病,坐骨神経痛,慢性腸炎,冠心病。 基本証象: 【血虚失栄】症象:1面[角光]唇淡,2夜寐易驚。       舌象:1舌紅潤無苔,2舌質紅苔薄黄。       脈象:1脈弦細数,2脈弦数。 【陽気浮越】症象:1面時潮紅,2心煩不寧,3寐少梦多,4咽干口苦,5精神呆癡,不語,6眼突出如核桃大,7目渋,復視,8頭痛,頭頂劇痛。       舌象:舌潤,苔薄質淡。       脈象:脈濡緩。 【気虚失養】症象:1怠倦,2悪風。 【絡脈不和】症象:1揺頭不止,2呑咽困難,3白天磨牙,不能自行控制,情緒激動可使症状加重,4左肢麻痺如 廃,右肢日夜乱動。 【神気不振】症象:精神怠倦。(図23)

一、肝腎虚風証‥‥虚風証本病

 肝腎虚風証が虚風の本病である。病いは腎虚のため養肝することができず, 肝風 が内起するもので,腎虚による肝風である。古人は水が木を涵養しないと,木が枯れて風を生ずると喩える。腎陰不足では肝木を柔養できず, 陰虚は風動となる。 然しまた腎は水火の臓であるから,腎水が不足すると,陰は陽を引きつけず,腎陽は陰に入れずに,次第に耗散し,腎陽虚の 陽虚風動 となる,古人は之を虚風暗動と称する。 此の外に肝は蔵血の臓ゆえ,肝血虚して養えないと,やはり 肝燥風動 となる, 血虚生風 の候である。 是の故に肝腎虚風証には,陰虚風動が多いが,血虚風動者もまた少くない。疾病后期には,陽虚風動の者も無視できない。 肝腎虚風の病いは,清空・清竅・経絡の間に多く,軽ければ頭痛・眩暈に,重ければ麻痺・震顫・風痱・風瘫・風癇となる。急なれば中風・癇・厥であり,緩なれば痿・痺・脱毛などとなる。 肝腎虚風は総て肝腎が先ず虚し,然る后に肝風内動となる,故に治則は,総て肝腎の虚を補養することが主で,陰虚なら滋陰柔肝にて熄風し;血虚なら養血潤肝にて熄風する;腎陽虚なら,腎陽を温養して熄風する。これを 陽生ずれば則ち陰長ずる と喩える。張景嶽は謂う:“善く補陰するには,陽中求陰をしなければならない。”是れは助陽することが長陰となり,陰平陽秘により,内風は起らない,故に温陽もまた熄風となり得る。 証候別称: 肝風上翔,肝風上擾,肝風内動,血虚生風,風火襲絡,上盛下虚,陰中陽虚,肝腎虧損,陰陽両虚,精血虧損。 病例名称: 【中医】:頭風,頭痛,眩暈,陰虚眩暈,失眠,類中,中風,厥症,風癇風痱,偏瘫,痿証,虚痺,血痺,点頭風, 顫抖証,手顫,斑禿,全禿証,白癜風。 【西医】:神経性偏頭痛,耳源性眩暈,右側慢性中耳炎胆脂瘤,高血圧,脳動脈硬化,神経衰弱,多動症,舌咽神経痛,坐骨神経痛,血栓閉塞性脈管炎,類風湿性関節炎,癔病性昏厥,神経功能性運動障碍,脳血栓后遺症,震顫性麻痺,帕金森綜合征,脳萎縮,腔隙性脳梗死,一氧化碳中毒性脳病,脊髄灰質炎恢復期,変応性悪敗血症,脂溢性脱発。 基本証象: 【陰虚失養】症象:1身形解,2手足心熱,3潮熱盗汗,4腰酸脚軟,5肢倦,6小溲頻数余瀝不尽。       脈象:1脈虚緩,2脈細弦,3脈細略数,4脈細弱無力尺尤甚。 【血虚失養】症象:1面色白,精神軟弱,3頭暈脳脹,4心...

第四節 虚風証類

 虚風証とは内風の虚証で,虚に起因する風動なる故に虚風と称する。 張景嶽はまた非風と称するが,其の症が外風に似ているが,外風に非ずという意味で“非風”と称し,外来の風ではない。 通常は腎水が肝木を涵養できないと,肝風が内動するのを, 陰虚風動 と称する。然し養肝しても気血不足だと,やはり肝風は内動し,これを 血虚生風 と称する;古人はこれらを“ 枯木生風 ”と喩えており,風陽の例に属する;しかしまた肝腎陽虚による風もあり,古人は陰風や風冷と称する。 虚風が肝腎より起る故に肝腎虚風証が虚風の本病である;然しまた肝木過旺であれば,必ず脾土に乗じて肝脾同病となる,故に肝脾虚風証とは虚風証の合病でもある;若し病勢が遷延して,脾から腎に及ぶと,肝・脾・腎の三臓并発となる。つまり脾腎虚風証とは,虚風証の并病である。 虚風証の多くは陰虚や 水不涵木 から起る,故に其の治則は総て滋陰柔肝を以って熄風すべきである。然しまた風木乗脾となれば,必ず気血を傷つける,故に益気養血の法も少くはない。古人が云うところの 治風には先ず治血を,血行れば風自ら滅す ,と謂うのが此れである。如し腎臓にまで損及すれば,腎は水火の臓だから,腎陰を耗傷するだけでなく,腎陽もまた損傷することは免れ難い。故に温養腎陽もまた平熄内風の法となる。 総じて風は虚より起り,補虚しなければ風は熄まない。気・血・陰・陽の失調が,虚風の源である。張景嶽は謂う:“空穴来風”,其の空穴を填塞すれば,風は起らない。(表44)

四、心腎風陽証‥‥風陽証并病

 肝陽亢盛が下の腎水を吸うと,上で心火が動き,腎水が上の心火を済タスけることができなくなる。心陽が上亢し,下の腎と交わることができないと,水火は助け合うことが出来ず,心腎陽亢証となる。実は肝・心・腎の三臓同病であり,また 本虚標実 の証である。 ただ腎は水火の臓であり,腎水が枯竭すると,腎火は其の宅に安住できず, 虚陽上浮 の変となる;是の故に心腎風陽証は, 陰虚陽亢 の者が多い。また腎陽不足を兼ねると,火不帰元・虚陽上浮となる者も少くない。 故に其の治則は,総て滋陰潜陽すべきで,腎水を益し,心火を降せば, 水火既済 となる。若し虚火浮游を兼ねれば,温腎陽で佐タスけて引火帰元の法をとれば,陰平陽秘の治を達成することができる。 証候別称:心火内動,心腎不交,陰虚陽亢,虚陽上越,虚火上冒。 病例名称: 【中医】:眩暈,心痛,心悸,驚悸,不寐,癡呆,悲喜狂,舌動揺,震顫。 【西医】:脳震蕩后遺症,冠状動脈硬化性心臓病,心絞痛,更年期綜合征,梅尼埃病,動脈硬化性精神病。 基本証象: 【陰虚失養】症象:1腰酸痛,2臂熱,手心常灼。       舌象:1舌質紅,2苔白微膩,3舌質萎白。       脈象:1脈細弦微渋,2脈象模糊,沈取无力。 【陰液消涸】症象:1口干唇燥,2帯下多而腥臭,3大便状如羊屎,4小便黄。       舌象:舌質紅无苔。       脈象:1脈細数,2脈弦細数。 【陽気浮越】症象:1面部潮熱,2陣発性出汗,3舌体抖顫,4頭部震顫時有轟熱汗出。 【清空不寧】症象:1頭暈,頭昏,2記憶力差。 【清竅不利】症象:耳鳴。 【神志不寧】症象:1心跳心慌,2心悸心煩,3夜難入眠,4性情急躁,5時有語无倫次現象。 【経脈不和】症象:有時自覚手臂局部発麻、発痺、発凉,甚至凉透胸口,遂昏厥,片刻自醒。 (図21)

三、肝腎風陽証‥‥風陽証合病(二)

 肝腎風陽証とは肝腎の陽気偏亢の証である。肝腎は母子の臓で,いわゆる“ 乙癸同源 ”であり,此のために肝陽亢盛は下の腎陰を吸い,腎陽を引動するので,古人は喩えて“ 子が母の気を盗む ”という。また腎陰不足だと,肝臓を涵養できず,肝陽偏亢となるので,古人は喩えて“ 母の病いが子に及ぶ ”といい,ともに肝腎同病である。 且つ多くは 本虚標実 の証で,多くは操労過度,酒色失節,病中の薬誤,久病傷陰,高年衰竭などに因る。 軽ければ陽亢風動,風陽上浮から,眩暈,頭痛,耳鳴耳聾,頭揺,振顫,麻痺等の病;重ければ厥陽上冒により,陰枯下竭から下脱まで;緩ければ経絡に竄入して痛痺の疾となる。其の治則は肝腎の陽亢を鎮潜し,肝腎の陰液を滋養することで,総ては滋陰潜陽を大法とすべし。 証候別称: 肝陽上亢 ,厥陽上逆,肝風上翔, 陰虚陽亢 ,陰虚風動,液涸風動,内虚暗風,血虚肝燥,陰虚陽越,虚陽浮越,戴陽,上盛下虚,下厥上竭,虚火上冒,虚陽上冒,肝風入絡,風陽入絡。 病例名称: 【中医】:頭暈,眩暈,昏仆,頭痛,経前頭痛,偏頭痛,暴盲,失眠,中風,類中風,小兒痙厥,産后子癇,間瘧,伏熱内潰,痛痺,足跟痛,頭揺,手顫,肝陽震顫,麻痺。 【西医】:高血圧,高血圧危重症,冠心病,高血圧心臓病,神経性頭痛,血管性偏頭痛,急性視神経乳頭炎,メニエール病,頚椎綜合征,神経衰弱,神経官能症,植物神経失調,更年期綜合征,産后子癇,重型乙脳,脳炎后遺症,流脳后遺症,震顫麻痺,パーキンソン氏綜合征,坐骨神経痛,三叉神経痛,肝豆状核変性,肝硬化,原発性血小板減少性紫癜。 基本証象: 【陰虚失養】症象:1盗汗,2腰酸腿麻,脊膂覚痛,3肢体軟弱,4震顫無力。       脈象:1沈細尺弱,2脈弦左尺較弱。 【陰液消涸】症象:1口干,2肌肉消痩,3胸中煩熱,4大便秘結。       舌象: 1舌紅少苔,舌紅絳,舌質絶干,舌干痩無苔,2苔薄,苔薄黄,3舌質微紅,4舌紅中剥而干。       脈象:1脈細数,2脈細滑,3脈弦細帯数,4脈象細弦而勁。 【陽気浮越】症象:1面赤熱,口酸,2自汗,3汗出偏沮,4午后頭面及周身感発熱,5頚項強痛,6胸悶心悸,7后頂枕部灼熱及脹墜感尤以晩上為甚,局部冷敷稍舒,8閉目畏光,脈沈細左関独弦,舌正無苔。       舌象:舌紅暗,苔黄。       脈象:脈浮弦浮大数,脈弦略数六...

二、心肝風陽証‥‥風陽証合病(一)

 心肝風陽証とは心肝陽気偏亢の証である。操労や思慮過度により 君相の火 が失寧し,心陽肝陽が内盛となることが多い;または心陽亢盛により,肝陽が引動されたり;或いは肝陽偏亢により,心陽が激動される,ゆえに古人は“木火通明”と喩える。 陽火が過盛なれば,陰液は必ず傷つく故に心肝風陽証の多くは心肝の陰液不足を兼ね,心火肝火内盛の変となる;陰が陽に配されなければ,陽光は則ち風動す;軽ければ上空を冒し,内なる神明を擾サワガし,不寐,心悸,煩躁,小兒夜啼,梦游から頭痛,眩暈に及ぶ。重ければ冲逆し,心神を蒙閉し,中風(類中)、肝厥、驚癇、狂躁、癡呆等の急重病症となる。 其の治則は総て心肝の元陽を鎮潜し,君相の偏熾を清降し,心肝の陰液を兼養しなければならない。さすれば君火は清明となり,相火は位置に帰り,陽気は自ら秘潜する。 証候別称: 肝陽上亢 ,肝風上翔,陰虚陽亢,厥陽上冒,痰蒙心竅,風陽入絡。 病例名称: 【中医】:眩暈,頭痛,偏頭痛,耳聾,自汗症,不眠,煩躁,梦游症,小兒夜啼,鬱証,臓躁,癡呆,癲証,心風症,行経発狂,驚癇,陽癇,子癇,虚労,心悸,類中風,中風閉症,風中経絡,肝厥,瘿瘤。 【西医】:原発性高血圧初期,高血圧,高心,メニエール病,経前期緊張症,周囲神経炎,脳震蕩后遺症,煤気中毒,中毒性痢致中毒性脳炎后遺症,病毒性脳炎,脳血栓形成,脳溢血,中風后遺症,癔病,癔病性耳聾,癔病性昏厥,癲癇,子癇,更年期綜合征継発性癲癇,癲癇大発作,精神分裂症,神経官能症,冠心病,心伝導阻滞,甲亢,甲状腺嚢腫,十二指腸球部潰瘍出血。 基本証象: 【陽気浮越】症象:1面色発紅,2面色潮紅,3自訴烘熱難忍,4体懸如飛,5口渇喜飲。       舌象:1舌辺紅,苔薄白,2舌紅苔黄燥。       脈象:脈細数虚経,脈弦勁。 【清空不寧】症象:1頭痛頭脹,2偏頭痛,3頭暈目眩,4独頭揺動。 【清竅不利】症象:1目慌無所見,2耳鳴,3舌体顫抖。 【気機冲逆】症象:1気粗似喘,言語模糊,2頭劇痛時汎悪,悪心嘔吐不止,3納呆嗳気,4昏厥発作時有気上冲,手足強直,口不能言。 【神志不寧】症象:1心跳気短,2煩躁不寧,急躁易怒,3夜寐不安,心悸少眠,4恍惚多疑,5煩悶悲哭,6悪梦驚恐。       舌象:舌尖紅苔薄膩。 【絡脈不和】症象:1腰酸,2筋脈拘攣,3頚項強硬,4目緊閉,5舌体顫抖。 ...

一、肝胆風陽証‥‥風陽証本病

 肝胆風陽証は通常 肝陽・肝風証と称す;病いは肝から出ているが胆とも関わっている;肝は剛臓,体は陰にして用は陽,内に 相火 が宿り,謀慮を主り将軍の官と称する。其の体である陰は消耗し易く,其の用である陽は亢揚し易いために陽亢病とは肝陽偏亢のことである;肝は風木に属し,肝の陽亢風動には常に雷火暴虐を挾む。いわゆる風雷相い激すの肝胆風陽証である;軽ければ上の空竅を犯し,頭痛・眩暈症となる;重ければ風火相煽し,機竅を閉じ,痙・厥・拘攣となる。振顫,小兒驚風,妊娠子癇,産后痙厥は閉重証である。故に其の治則は総て清鎮肝陽により肝風を終熄させ,木火を降し,逆勢を収めなければならない。 証候別称:肝陽上亢,肝火上逆,厥陽上逆,陰虚陽亢,肝厥,風火上盛,液涸風動,風陽入絡,血不養筋。 病例名称: 【中医】:風火頭痛,肝陽頭痛,偏頭痛,経期頭痛,肝火眩暈,陰分伏温,兼厥陰肝病,中風,昏厥,急驚風,痙証,陰虚筋急,子腫,子癇,産后痙厥。 【西医】:高血圧,神経性頭痛,三叉神経痛,ハンター綜合征,メニエール病,晩期妊娠中毒症,腎病綜合征,功能性震顫,癔病,蛛網膜下腔出血,流脳陰虚筋急型,乙型脳炎后遺症,高血圧脳病。 基本証象: 【陽気浮越】症象:1性情急躁,2煩躁,3面部烘熱,4午后潮熱,5面色潮紅,6畏熱自汗。       脈象:1脈弦勁,2弦実,3弦長有力。 【清空失寧】症象:1頭暈脹痛発熱偏左頭痛,巓頂痛徹目,2頭暈,3昏暈欲仆,4頭脹,5偏頭痛,6頭重脚軽,7頭暈目眩。       舌象:舌紅少津苔黄。       脈象:1浮弦数,2脈弦数,3脈象弦滑而数,中指脈搏跳動。 【清竅失利】症象:1目眩,2耳鳴耳聾,3目赤,4目脹痛失明。 【神志不寧】症象:1心中煩熱,失眠,3心悸,4多梦,5胸腹悶,易怒。 【絡脈不和】症象:1両腿抽攣痛,2両太陽筋脈抽掣搏動,3手麻,4口眼歪斜,5肢体浮腫。 【津液消灼】症象:1小便黄,2口燥咽干,3口苦,口渇,4便結,5溲黄。       舌象:1舌質絳,2舌尖紅絳,3苔中剥,辺薄黄。       脈象:1脈細弦,2脈浮取微浮弦勁,沈取弦細有力。(図18)

第三節 風陽証類

 風陽証とは内風病証,すなわち体内の陽気偏勝の一つである。陽気亢盛,陽亢は風動に,風は内より起るので 内風 といい,合せて風陽と称す。 其の病いは肝より発することが多い故に通常は肝陽・ 肝風 と称し,肝胆風陽証が本病である。 肝陽亢盛なれば,上では心陽を激動し,下では腎陽を挾持し,且つ心陽が内動すればまた肝陽をも触動する;腎陰が不足すると,肝木を涵養できず,また肝陽は偏亢する。故に 心肝風陽証 と 肝腎風陽証 が風陽証の合病である。 肝陽偏盛から心腎陽亢が引発されると 心腎風陽証 を形成し,肝・心・腎 三臓の并発証となる。風陽証の并病は,本虚標実夾雑の証が多い。 風陽亢盛は情緒や人事などの生活環境と相関することが多い:たとえば情懐不遂・鬱怒・暴怒・思慮過度や嗜酒及び肥甘過度,平素の操労太過,房労失節などで,中老年期に多い;また妊娠中や小兒の肥甘炙烤の過度からくる積熱助陽もまた風陽の証となる。たとえば妊娠子癇,小兒の急慢驚風など。此の外に熱病の后期で, 過汗過下や久熱による陰液の傷及もまた陽亢風動の風陽証となる。 肝陽偏盛,陽亢風動の風陽証は何臓に拘わらず,其の治則は総て清鎮潜降の品にて平陽熄風すべきである。外風を治す法で疏散を投じれば,反って升陽動陽の弊となる。然し若し外風が内風を引動する証であれば,又 別論である。(表43)

五、心肝風熱証‥‥風熱証并病(二)

 本証は,心の主営,肝の主血から,風熱は心肝に入り,其の病変は主に 営血分 に在る;或いは其の人が元から営血に蘊熱を持っていると,外感風熱に触発され易いし,且つ内外の熱邪が,同気相い求めて,外邪も亦内竄し易く,入営入血する;しかも其の伝変は,営血の分に在っても,最后は心臓に帰する。 其の治則は当に清営凉血すべし。但し病いが外感風熱から来ている故に軽清疏散で以って風熱を透解することが主要法則となる; 外鬱が解けなければ,営血の熱も亦透達し難い。 故に清解には必ず疏散を兼ねる。これ亦 透風于熱外の法である。 証候別称:風熱入血,風熱入絡,風陽入絡。 病例名称: 【中医】:風温夾驚,傷寒夾斑疹,中絡,口眼歪斜,心悸,風疹塊,血風瘡。 【西医】:皮膚瘙痒症,蕁麻疹,面瘫,病毒性心肌炎。 基本証象: 【陽気不宣】症象:1悪風,2微寒。       舌象:紅中兼白色。 【腠理不宣】症象:1発熱,2无汗。 【営熱蘊蒸】症象:1夜熱自汗,2驚跳不安,3譫語。       舌象:舌紅,苔黄。       指紋:紫。 【血熱蘊蒸】症象:1斑疹紅赤不透,2体発赤疹,腫癢難忍,3鼻衄。       舌象:否紅。 【清空不宣】症象:頭痛。 【清竅不宣】症象:1咳嗽,2鼻塞清涕。 【経気不宣】症象:身疼。(図17) 

四、肝肺風熱証‥‥風熱証并病(一)

 本証は肺が気を主り肝が血を主るゆえ,風熱が肝肺を犯すと其の証候は両類に分れる:一類は 上焦気分の病証 で,風熱外邪が肝の相火を挾み,上の清気を擾ミダし,多くは清空・清竅の病候となる。如タトえば頭風は耳・目・鼻・咽・腮等へ及び発症するがみな病邪は軽く浅い;若し病邪が深重だと経絡に深く入り風痙・痺痛の患となる。もう一類は 風熱が血に入る 気血同病の証で,多くは肌膚に発し,風痒・風疹・瘡疖・斑丹等となる;重ければ血絡を傷つけて血溢の患ともなる。 其の病機は総て外に風鬱があり,裏に熱鬱がある故に治則は総て外の疏風邪,内の清鬱熱とすべきで,外から入った風熱は外へ透解させ,深く陥入して血絡の変にしてはならない。然し病いは気血に関わる故に清気凉血薬も亦少なくはない。虚を挾む者には更に益気養血の薬味を加えて扶正托透させ,内陥の邪を外達し易くしなければならない; 然し邪が已に深く入り,調治がまずくて邪を外達できないと纒綿と長引くことになる。 証候別称:上焦風火,風熱犯肺,風熱内陥,風熱化燥,厥陰経風熱,陰枯熱熾,風熱傷筋,風熱入血,風熱入絡。 病例名称: 【中医】:風熱,風熱夾痰。風温犯肺,冬温誤治,痙病,風痿,痺証,絡痺,血尿,咽痛,乳蛾,喉痺,虚癆喉痺, 痄腮,疝気,耳痛,聤耳,耳鳴,耳聾,鼻渊,雷頭風,天行赤眼,翼状胬肉,疱疹内陥,風疹,風痒,油風,牛皮癬, 紅皮症(銀屑病性紅皮症),疖毒,頭皮湿毒瘡,汗閉症。 【西医】:流感,上呼吸道感染并鼓膜炎,腮腺炎,睾丸炎,風湿熱(心臓型),急性腎炎,非化膿性中耳炎,慢性中耳炎,滲出性中耳炎,鼓膜内陥,過敏性鼻炎,鼻腔乳状瘤,急性流行性結膜炎,頚椎病,多発性神経炎,接触性皮炎,急性蕁麻疹,丘疹性蕁麻疹,頑固性蕁麻疹,毒性紅斑,扁平苔癬,帯状疱疹,薬疹,湿疹,慢性頭皮湿疹,血管神経性水腫,変応性血管炎。 基本証象: 【気機不宣】症象:咳嗽。 【腠理不宣】症象:1発熱悪寒,無汗,2身熱无汗,不悪寒,3身痛,4背発風疹。       舌象:苔薄膩,舌質淡紅。       脈象:脈浮数。 【津気蘊蒸】症象:1発熱,2面赤,3口渇引飲,4小便短赤,5鼻衄,6睾丸掀熱腫痛,少腹引痛。       脈象:脈滑数。       舌象:舌紅,舌苔黄少津。 【血熱蘊蒸】症象:1風疹紅色,2身発紅色風疹,上身為甚,瘙痒,按之微熱。       脈...

三、胆胃風熱証‥‥風熱証合病(二)

 本証の多くは表より裏へ入り,半表半裏の間に鬱する。病機はなお上焦に居る故に多くは清陽の気が鬱蒸する候である。 傷寒家は之を太陽少陽の并病か少陽陽明病の并病,或いは三陽合病等と称する;如し営分に伏気温熱を兼夾すると,温熱家は之を少陽伏温か営分伏温の初期証候と称する。 又 肝胆は表裏の転枢である故に 半表半裏の証 とも称する;且つ内には相火が宿り,外邪の多くは木火を挟んで動く。 其の治則は総て宣疏鬱遏,清透内熱,兼降木火であり,内蘊の鬱熱を風邪外達に随って解すべきである。 証候別称: 少陽半表半裏証,少陽中風,少陽腑症,陽明少陽病,太陽少陽病,三陽合病,少陽時毒,少陽温病,少陽伏温, 営分伏温,風侵少陽,肺気鬱痺。 病例名称: 【中医】:三陽合病,陽明少陽并病,春温,春温兼寒,温毒(痄腮),少陽発疹,熱入血室,上焦鬱閉,陰虚外感。 【西医】:急性腮腺炎,蕁麻疹。 基本証象: 【陽気不宣】症象:1悪寒,2頭項強痛,3身不能転側,4背寒。       舌象:苔白。       脈象:脈浮弦。 【腠理不宣】症象:1発熱無汗。 【腠理不調】症象:1寒熱交作,微汗,2往来寒熱,休作有時。 【津気蘊蒸】症象:1熱勢増高,悪熱,2口苦,3渇不欲飲,4小便赤熱。       舌象:苔黄膩。 【清空不宣】症象:1苦頭痛,2頭額暈痛。 【気機不宣】症象:胸中痞悶。 【気機不降】症象:嘔吐。 【清竅不宣】症象:目眩。 (図15) 

二、肺胃風熱証‥‥風熱証合病(一)

 本証は風熱が表から裏へ入り, 気分 に鬱蒸した証である。または口鼻からも入るが,鼻は肺に通るし,口は胃に通っている;また肺胃に原モトから 伏熱 があるのを,外感した風熱がそれを引動して発する;表裏同病が多いが,裏証も亦少なくない;風邪が表に鬱し,熱邪が裏を蒸すのは,表鬱裏蒸の 表裏証 である。 軽ければ衛・気同病となる;胃は気血の郷モトなる故に重ければ営・血に及び,衛・気・営・血の同病となる;或いは気分の邪が解けず,営・血に転入する;或いは営分・血分に原モトから伏熱があり,それを気分の邪が触発しても,気営・気血の表裏同病を発することになる。 如し表解して衛分の邪が已に除かれておれば,気分から転入して純裏の証となる;邪が已に裏に入れば,極めて化燥化火し易く,燥熱・燥火の証に転変する。 故に其の治則は当に葉天士の所訓の如く:“透風于熱外”の法で,速やかなる疏風透熱を主とし,鬱熱を外達させれば,病いは速かに解する。如し専ら清降を事とすれば,必ずや風邪は内陥し,鬱熱は透解せず,他変を生ずる。 証候別称: 風熱上受,感冒化熱,風温化熱,風熱犯肺,風温犯肺,春温伏肺,邪熱壅肺,肺気鬱痺,風熱上受,燥熱上鬱,燥 火上鬱,風熱化燥,燥熱内伏,風温化火,熱気営,伏温在営,風熱入血,由血転気,陽気佛鬱,三陽合病,上焦鬱閉,協熱下利,流丹不達,丹疹内陥,熱熾津枯。 病例名称: 【中医】:傷風,風熱,上焦風温,肺胃風温,太陰温病,陽明温病,伏温兼風,伏気風温,春温,冬温,暑温,太陰 伏暑,暑風挾積,風温挾痰,温病夾瘀,風熱夾瘀,産后傷風,産后伏温,気虚傷風,陽虚傷風,陰虚感冒,久熱,傷風 咳嗽,肺熱咳嗽,肺痺,肺閉,肺脹,風湿失血,熱瀉,風瀉,挾表痢,風水,食復,夏熱温疹,瘾疹,斑疹,風温発疹,水痘,丹毒,赤白游風,瘡腫,麻疹,鼻渊,喉蛾,咽痛,牙齦腫脹,時毒,爛喉痧。 【西医】:上呼吸道感染,急性気管炎。小儿支気管炎,病毒性肺炎,肺炎,大叶性肺炎,麻疹肺炎,猩紅熱,流脳, 過敏性鼻炎,慢性鼻竇炎,急性咽喉炎,扁桃体周囲膿腫,慢性咽炎,白細胞減少症,流行性腮腺炎,登革熱,急性腎小球腎炎。 基本証象: 【気機不宣】症象:1咳嗽,2胸満胸痛,3咯痰不暢,4面青唇紫。       舌象:1苔薄白膩,2舌苔垢濁。 【腠理不宣】症象:1四肢時凉時熱,2悪風発熱悪寒,怕冷発熱,無汗,3身痛,...

(二)衛気鬱蒸候‥‥肺衛風熱表証転証

本証は風熱表証中の軽証で、熱邪が偏重で高熱を発するか、或いは午后に熱甚で、口渇あり、汗が出ても解熱せず、脈数・舌紅・苔薄黄等の熱蒸の脈症がある。故に其の治則は清熱透邪の一法となる。但し 軽清の品を僅用 するだけで、みだりに寒凉の重剤を過投してはならない;疏透の品で軽く風邪を散じて解表するのが宜い。葉天士のいわゆる“透風すれば熱は外にゆく。”の法である。くれぐれも重剤で発汗してはならない。 通称:風熱感冒、風温犯衛。 病例:[中医]:感冒、風温。 病因病機:肺衛に風熱が鬱蒸する:風熱を感受するか、或いは風温が先ず犯肺襲衛し、外が風鬱したため衛気は腠理や空竅に宣達できず、熱が内蘊し、津気が受蒸して風鬱熱蒸の表証となる。 証象組合:表鬱+気蒸 主症:【腠理不宣】症象:1微悪風寒、2無汗。           脈象:脈浮弦。    【津気蘊蒸】症象:1身熱自汗、2午后熱甚、3尺膚熱甚、4口渇。           舌象:舌紅苔薄黄。           脈象:1脈不緩不緊而動数、2両寸独大。 副症:【清空不宣】症象:1頭昏、2頭痛。 賓症:【清竅不宣】症象:1鼻塞、2咽阻、3咽痒。    【経気不宣】症象:1身酸困。 治則:外に風鬱・内に熱蒸ゆえ、葉天士は“透風于熱外”の法を示す。是れは疏風宣表させれば、鬱熱を外透させるから、 溫散などして助熱してはならない し、また 純寒凉を用いて邪機を冰伏させてはならない。 病いは表に在り、病勢は初起の病位で浅く、受邪は軽い、故に用薬には軽・清・霊・活なるが良く、呆滞させてはならない。 方症: 銀翹散 《温病条辨》(金銀花、連翹各一両、桔梗、薄荷、牛蒡子各六銭、竹葉、荊芥穂各四銭、豆豉、甘草各五銭) 為末、毎服六銭、加鮮芦根、水煎、香気が出たらすぐに服す。 ※以下、営衛鬱蒸候 ほか全十一証候が展開するが省略。

(一)衛気失宣候‥‥肺衛風熱表証本証

本証は外感風熱の初起の最も軽浅な証候で、 風邪偏重で熱邪は少ない。 多くは発熱が無いか又は微熱だが、悪風・身困・鼻塞・頭痛等の症があり、苔薄く脈浮で、表証中の軽証である。故に其の治則は軽剤で宣透するだけでよい。重剤で汗を取ってはならない;さもないと軽証が重症に転ずる。 古人は禁汗の戒を忠告している。 通称:風熱感冒、小風温。 病例:[中医]:感冒、風温。 病因病機:肺衛に風熱が鬱遏し、風邪を感触する。気候が温暖だと、風中に熱を挾むか、或いは先ず熱気を感じた後に風凉に触れて風熱を并発する。外部の肌腠が鬱し、上部の空竅が鬱する。 証象組合:表鬱+空竅+経気 主症:【腠理不宣】症象:1悪風、2肌膚痛、3皮膚痒。           舌象:舌紅苔薄黄而潤。           脈象:脈浮弦。 副症:【清空不宣】症象:1頭昏、2頭痛。 賓症:【清竅不宣】症象:1鼻塞噴嚏、2鼻流清涕、3咽阻。    【経気不宣】症象:1身酸困。 方症: 1. 辛凉解表法証:《時病論》方。辛凉宣表法。適応:肺衛風熱証初起、悪風鼻塞咽阻。 (薄荷、牛蒡子、前胡各4.5、蝉衣3、淡豆豉12、瓜蒌殻、天花粉6) 2. 桑菊飲 証:《温病条辨》方。功能疏風清熱、宣肺止咳。治風温初起、症見咳嗽、身熱不甚、口微渇、舌苔薄白、 脈浮数。上呼吸道感染、支気管炎で風熱犯肺に属する者。 (桑葉7.5、菊花3、連翹4.5、薄荷、甘草各2.4、杏仁、桔梗、葦根各6)

一、肺衛風熱証‥‥風熱証本病

  肺衛風熱証とは新感風熱の邪が肺の衛分に鬱した証である。多くは風中に挾熱・挾温・挾燥の形で口鼻から上受けるか、または内に蘊伏していた温熱・暑熱が外感風熱によって引き出されて起きる証候である。 それらは傷風・風温・温燥・伏温・伏暑・ 麻疹初起 などで、其の証候は表証・裏証・表裏証の三類に分けられる。(図13) 治則は総て疏風透熱で、新感の邪を微汗にて表解するか或いは斑疹を発することで透解する。 証候別称:風熱感冒、風温犯衛、客寒包火、温邪上受、手太陰温病、肺気不宣、風熱犯肺、風温犯肺、風温化熱、風熱襲表、肺衛失和、温邪入営、風熱動血、失表血証、風熱化燥、営衛不調、営衛乖和。 病例: 【中医】:外感風熱感冒、重傷風、風熱咳嗽、小風温、風温、陰虚温病、発斑傷寒、失表血証、失音、痧疹、哮喘、気虚麻疹。 【西医】:上呼吸道感染、支気管炎、慢性気管炎、急性支気管炎、腺病毒肺炎、重証小儿肺炎。 基本証象: 【腠理不宣】症象:1微悪風寒、2無汗。       脈象:脈浮弦。 【津気蘊蒸】症象:1身熱自汗、2午后熱甚、3尺膚熱甚、4口渇。       舌象:舌紅苔薄黄。       脈象:1脈不緩不緊而動数、2両寸独大。 【気機不宣】症象:1咳嗽痰多、2脘悶不饑、3胸痞。 【気機不降】症象:1咳逆、2気喘。 【清空不宣】症象:1頭昏、2頭痛。 【清竅不宣】症象:1鼻塞、2咽阻、3咽痒。 【経気不宣】症象:身酸困。

第二節 風熱証類

  風は陽邪、熱もまた陽邪、両陽が合えば容易に傷津・化燥・化火となる。故に其の伝化するところは火化の一証だけである。 其の治則は総て「 疏風清透 」を主とする。必ず鬱熱を風邪とともに外へと透発させれば、解散させ易い。薬には 辛凉軽宣 のものが宜い。絶対に辛温燥烈で傷津助熱のものは避けなければならない。また寒瀉剤も表邪内陥の変証を生ずるからダメ。 口鼻に風熱を感受すると、鼻は肺に通じ、口は胃に通ずる故に肺胃風熱証が気分のトップにきて、次に胆胃風熱証が表裏の合病となる。若し風熱が内陥して血分に入れば肺肝風熱証・心肝風熱証の気血并病となる。

(四)衛陽鬱閉候

  これは表寒実証の重証で、 営衛両傷 で病機は深重で病情は緊急を要する。壮熱無汗・頭項強痛、且つ角弓反張の痙急もある。熱が外へ出ない限りは形寒怕冷の陽閉形症が続く。辛温透発の重剤で始めて陽気が通行し、大熱は大汗となり解ける。 通称:傷寒表実証,正傷寒,太陽傷寒証,寒傷営, 麻黄湯証 。 病例:[中医]:正傷寒,陰暑,剛痙。 病因病機:肺衛に風寒が鬱閉する:感受した風寒が過重で、陰邪が太盛のため在外の衛陽が猝然と鬱閉し、腠理・経脈の気は凝滞し、陽気は上下に宣行できず表寒鬱閉の重証となる。 証象組合:陽滞+表鬱 主症:【陽気不行】症象:1悪寒肢厥,2寒戦。           脈象:脈緊,左浮緊有力。    【腠理不宣】症象:1悪寒発熱無汗。           舌象:1苔白,2舌多無苔而潤,3即有亦白滑而薄,4甚或舌苔淡白。          脈象:脈浮,右多浮滑。 副症:【経脈不利】症象:1腰背疼痛,2頭項強痛,3項背強几几,4筋脈不和,5手足拘急,角弓反張。    【清空不宣】症象:頭痛如破。 賓症:【清竅不宣】症象:鼻塞鼻鳴。 方症: (1)麻黄湯証:風寒表実証。 (2)葛根湯証 ※以下( 図6 )に従って 1.肺衛風寒証は第25番目まで細かく分類されているが省略する。

(三)営気失宣候

  表証の本証(一)のうちの風寒のうち、寒邪が偏重の重証として第三番目に位置する。 風寒が営衛の両方を傷つけているので寒傷営の 太陽表実証 とも称する。ただし衛陽鬱閉の麻黄湯証よりは軽い。 常見するのは感冒の重証で、風寒が触発した伏気温暑の前期、すなわち小兒の麻疹の初期などである。また誤治により風寒が数ケ月も稽留して去らない表寒実証の者などである。当に発汗により風寒の鬱を宣泄させなければならない。 通称:太陽表実証,寒傷営,風寒両傷営衛。 病例:[中医]:傷寒,麻疹初期。[西医]:感冒。 病因病機:風邪は衛分に鬱遏し,寒邪は営分にまで達する。絡脈は宣暢を失し,陽気が佛鬱する。 雷少逸のいわゆる:寒鬱経絡,陽気不行。 証象組合:陽鬱+表鬱+絡鬱 主症:【陽気不宣】症象:1悪寒,嗇嗇悪寒,2肢冷,3身重。    【絡脈不宣】症象:1頭項痛,2肢体疼痛,3腰痛骨節痛,4筋脈疼痛,5紅疹色淡欲出不出,6肩背腰臀 及四肢手足関節均感酸楚。 副症:【腠理不宣】症象:1悪風悪寒,2発熱無汗,寒熱并作。           脈象:浮緊,浮弦。           舌象:白滑。 賓症:【陽気佛鬱】症象:1手足乍タチマチ冷乍温,2発熱時抑時揚,3気息微喘,4稍有悪心。 方症: (1)桂枝麻黄各半湯証:(川桂枝7.5,京赤芍、生麻黄、炙甘草各4.5,杏仁泥9,生姜5片,紅棗5枚)寒熱并作。 (2)蘇羌達表湯証《通俗傷寒論》(蘇葉、杏仁、茯苓各9,防風、羌活、白芷、橘紅、生姜各4.5) (3)辛温解表法証《時病論》(防風、桔梗、杏仁各4.5,広陳皮3,淡豆豉9,加葱白5寸)春温初起。

(二)衛陽失宣候

  表証の本証(一)のうちの風寒のうち、寒邪が偏重の軽証として第二番目に位置する。 傷寒論で太陽風傷衛・ 太陽中風証 と称するもので、桂枝湯が主方の 桂枝湯証 のこと。本は表寒実証に属すのだが、従来の医家が汗出・脈緩弱だから表虚証だと称した。これは太陽傷寒で、寒傷営の無汗・脈浮緊の麻黄湯証を表実証といい、これと相対するために云ったものである。だから両者はともに表寒邪実の証候に違いはない。いわゆる 営衛虚弱の表虚証ではない。 もし虚であれば補わなければならない。表虚証なら補虚固表でなければならない。だが本証は仲景も云うように、発汗させて汗が出れば邪は散ずるから表に邪実があることが分かる。 通称:外感風寒、風傷衛、太陽中風、表虚証、桂枝湯証。 病例:[中医]:傷寒。 [西医]:感冒。 病因病機:肺衛門に風寒が鬱遏する 。 兪根初曰く:風寒の邪が外感し,肌表に鬱し,衛分の陽気が腠理や空竅を宣発できず,邪が経脈まで通達して,表寒実証と成る。 証象組合:表鬱+陽鬱 主症:【陽気不宣】 症象:1形凜悪寒、2肢冷、3胸悶、欲嘔。           舌象: 舌淡紅、苔白滑、舌苔白 薄。          脈象:脈弦、緩弱,脈浮而微弱,脈浮数弛緩无力(弱),脈微略数。    【腠理不宣】症象:1悪風寒、2発熱無汗、3悪寒発熱、微汗出。          脈象:脈浮。 副症:【清空 不宣】症象 :頭痛。 賓症:【清竅不宣】症象:1鼻塞流涕,2鼻鳴。     【経気不宣】症象:1項背強几几,2身痛骨節疼痛。 方 症 : 1.桂枝湯証:外感風寒表虚証。 2.桂枝加葛根湯証 。

(一)衛気失宣候

  表証の本証(一)のうちの 風寒 のうち、風邪が偏重の軽証として第一番目に位置する。 通称:四時感冒,小傷寒,鼻傷風,小傷風。 病例:[中医]:借風,冒寒。[西医]:感冒。 病因病機:肺衛に風寒が鬱遏する。風寒が肌膜に襲入し、衛気が宣達を失う。外表不宣・上部空竅不宣の初期軽浅証である。 兪根初は謂う:ただ皮毛を襲うが経絡には入らない。邪は軽く病いは浅い。 投薬せずとも自ら愈える。 証象組合:表鬱+空竅+経気 主証:【腠理不宣】症象:1悪風怕風,2肌膚緊縮,皮毛粟起,3微熱或不熱。 舌象:舌正常,苔薄白而潤。 脈象:左脈浮弦而緩。 副証:【清空不宣】症象:1頭昏,2頭痛。 賓証:【清竅不宣】症象:1鼻塞声重,2頻打噴嚏,時流清涕。      【経気不宣】症象:1身体酸困。 方症: 葱豉湯 症: (1)《肘后方》方:外感風寒の軽証で、微悪風寒・微熱頭痛・鼻塞流涕・噴嚏・苔薄白・脈浮のものを治す。 葱白四寸,豆豉一升。水煎服。 (2)《類証活人書》方:傷寒の初起で、頭項腰背痛・悪寒・無汗・脈緊のものを治す。 葱白十五茎,豆豉一合,麻黄四分,葛根八分。水煎服。 付録: 1. 論著 兪根初:小傷寒または冒寒のことで通称は四時感冒。 (1)平時に偶タマたま寒気や凉風に当たって肌膚が緊縮し、鳥肌が立ったり頭痛や鼻塞声重となり、噴嚏・清涕が出たが発熱はせず、舌は平人の如く、苔も白薄で潤いがあり、脈は右浮左弦で按ずると緩なのは、《内経》で云う:“善く治す者は皮毛を治す。又曰く軽きものは之を揚げよ、辛散軽揚法で,皮毛を疏達すると宜い。葱豉湯が主る。” (2)寒邪が躯殻の外を冒すも未だ伝経して裏に入らざる也。病機は軽浅だから調護するだけで治さずとも愈える。(《通俗傷寒論》)。 2.  病案 (1)雷逸仙は劉右を治した。経に謂わく、邪風の至るや疾きこと風雨の如し。今忽ち洒浙と悪風を受け、頭疼咳嗽す。是れ風邪が肺表に初客せしもの也。当に軽疏の剤を用いて皮毛を透し、遮りて誤るなかれ。 淡豆豉9,荊芥穂・薄荷葉・苦桔梗・衢橘紅・蝉衣各3,紫蘇葉2.4,冬前胡4.5,葱葉7茎を加えて引とする。(《逸仙医案》)。 (2)雷逸仙は除左を治した。洗髪したのち風雨にあい、噴嚏頭疼・鼻流清涕・脈浮数となり、微辛疏透の茶調散加減で治した。 川芎、薄荷葉、荊芥穂、蘇梗、橘紅、白芷、...

風寒証の症状

  風寒証の症状を総括すると次のように なる。(基本証象1)

一、肺衛風寒証‥‥風寒証本病

  肺衛風寒証とは新感した風寒の邪が肺の衛分に鬱した風寒証の比較的浅い証候の風寒本病である。これは表証・裏証・表裏証の三大類型に分れる。 表証とは風寒が 営衛の分 に鬱し、悪風寒・発熱・頭身疼痛等を特徴とする全身症状を現す。 裏証とは風寒が 肺竅 に鬱し、胸悶・咳喘等を特徴とするの局部症状を現す。 表裏証とは上述の両型の特徴を具有し、風寒が清陽の気を鬱遏する表裏同病である。 臨床上三者は相互に転化し、また相互に伝変する。表証は裏に入り、裏証はまた表に出る。 然し其の病機は総て風寒の 肺衛鬱滞 に属する。故に其の治則は総て肺衛の風寒を宣泄することとなる。 風寒証を起こり得るすべての証候に展開すると次の(図6)となる。 つまり肺衛風寒証には「H001衛気失宣候」から「H228肺気鬱閉候」までの“ 25の証 ”があり得るということ。